平成15年(2003年)十勝沖地震

はじめに

 令和5年(2023年)は、平成15年(2003年)9月26日に発生した十勝沖地震から20年となります。 その節目の年を迎えるにあたり、地震とそれに伴い発生した津波の概要や被害、現在の津波警報や緊急地震速報などについてまとめました。この災害を今一度記憶にとどめ、改めて地震・津波への備えをご確認ください。

地震の概要と被害状況

 2003年9月26日04時50分に十勝沖を震源とするマグニチュード8.0の地震が発生しました。この地震により、釧路地方から十勝地方、日高地方にかけて、最大震度6弱を観測し、北海道を中心に負傷者849人、住宅の全壊116棟、半壊368棟、一部破損1,580棟、床下浸水9棟の被害がありました。
 また、北海道から東北地方の太平洋沿岸に津波が襲来し、検潮所で観測された津波の高さは255cm(北海道広尾町・十勝港で記録)に達し、現地調査の結果、高いところでは4mを超える高さまで津波が遡上していたことが分かりました。十勝川では、津波が川を10km以上も遡る現象も発生しています。 この津波により、豊頃町の十勝川河口でサケ釣りをしていた釣り人の男性2名が津波にさらわれ1名が死亡、1名が行方不明となりました。
 このほかにも、長周期地震動により震源から約250km離れた苫小牧市の石油コンビナートで、スロッシング(石油タンク内の石油が揺動する現象)が発生し、浮き屋根が大きく揺動した結果、石油タンクの浮き屋根が沈没し、地震から2日後に静電気が原因で火災が発生しました。

地震・津波の概要

全国の震度分布

北海道の震度分布

津波警報等の発表状況

検潮所での津波の最大の高さ
※大津漁港、羅臼漁港は参考値

被害状況

本棚の倒壊 (旧帯広市図書館)

道路の損壊(本別町)

津波による被害(豊頃町大津漁港)

石油タンクの火災(苫小牧市)

液状化現象(根室市花咲港)

被害状況
人的被害 住居被害
死者 1名 全壊 116棟
行方不明者 1名 半壊 368棟
負傷者 849名 一部損壊 1,580棟
床下浸水 9棟

死者・行方不明者の数は、「北海道地域防災計画 資料編 災害発生記録」による
 その他の被害の数は、消防庁「平成15年(2003年)十勝沖地震(確定報)」による


長周期地震動について

 大きな地震で生じる、周期(揺れが1往復するのにかかる時間)が長い大きな揺れのことを長周期地震動といいます。 長周期地震動により、高層ビルは大きく長時間揺れ続けることがあります。 また、長周期地震動は遠くまで伝わりやすい性質があり、地震が発生した場所から数百kmはなれたところでも大きく長く揺れることがあります。 長周期地震動による大きな揺れにより、家具類が倒れたり・落ちたりする危険に加え、大きく移動したりする危険があります。

長周期地震動普及啓発用動画(YouTube)
(作成:札幌管区気象台・札幌市)


地震に関する知識・解説


地震から身を守るために

 気象庁では、「地震から身を守る」というサイトで、地震から身を守るための日ごろからの備えを呼びかけています。

津波に関する知識・解説


津波から身を守るために

 津波から身を守るには、大きな地震があったら1秒でも早く海から離れて高い場所に避難することが重要です。 「平成5年(1993年)北海道南西沖地震」では、強い揺れを感じると同時に津波警報を待たずに高台に逃げて助かった方もいらっしゃいます。
 津波警報を見聞きした場合や、津波警報が発表されていなくても強い揺れや長く続く揺れを感じた場合は、すぐに安全な場所へ避難しましょう。