北海道・三陸沖後発地震注意情報

はじめに

 日本海溝・千島海溝沿いでは、巨大な津波を引き起こす巨大地震が繰り返し発生しています。 この場所で発生する巨大地震に注意を促す情報として、令和4年12月から「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の運用を開始しています。
 ここでは、想定される巨大地震や、この情報の背景にも触れつつ、北海道・三陸沖後発地震注意情報と必要な防災対応についてまとめました。

北海道・三陸沖後発地震注意情報 普及啓発用動画(YouTube)
(作成:札幌管区気象台)


日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震

 十勝沖から根室沖の千島海溝沿いや三陸沖から日高沖の日本海溝沿い(図の赤色部分)では、 東北地方太平洋沖地震のように内陸の平野部まで津波が押し寄せるような巨大地震が300~400年ごとに繰り返し発生していることが分かっています。
 この場所で最後に発生した巨大地震は17世紀頃で、既に300~400年が経過しているため次の巨大地震がいつ発生してもおかしくない状態です。
 こうした巨大地震の多くは突然発生しますが、まれに巨大地震に先立って「ひとまわり小さな地震(マグニチュード7程度以上)」が発生することがあり、 この場所の周辺でも実際に2つの巨大地震が「ひとまわり小さな地震」の1、2日後に発生しています。


北海道・三陸沖後発地震注意情報

 地震がいつ起こるのか正確に予測することはできませんが、もしかしたら次の巨大地震も「ひとまわり小さな地震」の後に続いて発生するかもしれません。
 このため、少しでも巨大地震による被害を少なくするために、巨大地震が発生すると考えられている場所やその周辺で地震が発生した場合に、 その地震の津波警報や震度の情報とは別に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」という情報を発表する場合があります。
 この情報は、上の図の赤色の場所で、さらに大きな巨大地震が、いつもより少し起こりやすくなっている、ということをお伝えするものです。 地震予知ではありませんので、慌てずに落ち着いて行動してください。
 とっていただきたい行動は地震への備えの再確認です。また、津波の被害を受ける地域にお住まいの方は、特に最初の1週間は津波からすぐに逃げる準備をお願いします。


地震・津波への備え

 地震・津波はいつ発生するかわかりません。いざという時のために身近なところから地震に対する準備をしておくこと、津波の恐れがある場合はとにかく安全な場所へすぐに逃げることがとても大切です。 「北海道・三陸沖後発地震注意情報」も、巨大地震の被害を少しでも減らすことはもちろん、いざという時のために改めて地震・津波への備えを見直すきっかけとしても有効に活用しましょう。