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平成5年(1993年)北海道南西沖地震
はじめに
平成5年(1993年)に発生した北海道南西沖地震について、地震とそれに伴い発生した津波の概要や被害、 その後の様々な改善を経た現在の津波警報や津波予測の手法についてまとめました。過去の大災害を今一度記憶にとどめ、改めて地震・津波への備えをご確認ください。
地震・津波の概要と被害状況
1993年(平成5年)7月12日22時17分、北海道南西沖を震源とする大地震が発生しました。
地震の規模を示すマグニチュードは7.8、最大震度は5(当時の震度階級)で、気象庁が観測を開始して以降、現在に至るまで、日本海で発生した地震としては最大級の地震です。
気象庁はこの地震を「平成5年(1993年)北海道南西沖地震」と命名しました。
この地震に伴い大津波が発生し、周辺の沿岸に押し寄せました。当時設置されていた検潮所のうち、最も早く津波が到達したのは江差港で、地震発生から約7分後に第1波が到達し、
その後、津波の高さは175cm以上(測定範囲上限を超過)に達しました。このほか岩内港で142cm、松前港で106cmなど、翌13日にかけて日本海沿岸の広い範囲で津波を観測しました。
また、後日実施した現地調査の結果、奥尻島では最大で高さ29mの地点まで津波が遡上した痕跡が確認されるなど、島の全域で高い津波が襲来していたことがわかりました。
この地震と津波により、道内では死者・行方不明者229名、多数の住家損壊など、甚大な被害が生じました。
特に、強震動(震度6相当の揺れがあったと推定)と、短時間に大津波に見舞われた奥尻島では、上記人的被害のほとんどを占めることになりました。
地震の概要と被害状況 |
短時間で襲来した津波
奥尻島で大きな被害を生じた要因として、高い津波が地震発生から極めて短時間で襲来したことが挙げられます。
その後の余震分布から地震の震源域(地下の破壊の範囲)は奥尻島周辺まで広がっていたことが分かりました。
このため、地震発生から5分後の22時22分に「オオツナミ」の津波警報(現在の大津波警報に相当)を発表しましたが、
奥尻島ではその前に津波が到達しました。
当時の津波警報は地震発生から7分を目安に発表していましたが、北海道南西沖地震以降、
観測網整備や技術改善を進め、現在は地震発生から3分を目安に津波警報を発表しています。
津波警報等の発表状況 |
震度1以上を観測した地震の震央分布図 |
津波に関する知識・解説
津波はどうして発生するのか、気象庁がどうやって津波を予測して津波警報を発表しているのか、などを以下のページで解説していますのでご覧ください。
津波から身を守るために
津波から身を守るには、大きな地震があったら1秒でも早く海から離れて高い場所に避難することが重要です。
奥尻島では、北海道南西沖地震の10年前に発生した「昭和58年(1983年)日本海中部地震」の津波の経験から、
強い揺れを感じると同時に津波警報を待たずに高台に逃げて助かった方もいらっしゃいます。
津波警報を見聞きした場合や、津波警報が発表されていなくても強い揺れや長く続く揺れを感じた場合は、すぐに安全な場所へ避難しましょう。