衛星観測データを利用したプロダクト

気象庁では、気象衛星の観測データを利用し、上空の風、雲の高度や種類などの雲に関する情報、海面水温など様々な情報を算出しています。これらの衛星観測データから抽出される情報を衛星プロダクトと呼んでいます。 衛星プロダクトは、天気予報などの気象情報の作成に利用されています。

高分解能雲情報

高分解能雲情報は、客観的な手法を用いて、雲や大気中のエアロゾル、地上の積雪や海氷などに関する情報を提供するプロダクトです。 「ひまわり」の観測データと数値予報データから、以下の項目を算出しています。

  • 雲の有り・なし(黄砂・砂塵などのダストの有り・なしを含む)
  • 雪氷の有り・なし(地上の積雪や海上の流氷)
  • 雲頂高度(雲の高さ)
  • 雲型(雲の種類など)
  • 品質情報(迷光の影響や雲の有無の品質など)

高分解能雲情報は国内の気象官署で利用され、気象状況の監視や気象予報に活用されています。 また、アジア・太平洋の気象機関にも提供を行っており、各国の気象状況の監視や気象予報にも活用されています。
高分解能雲情報 高分解能雲情報
2017年3月10日10時(日本時間)の高分解能雲情報による雲型(左)と同じ時刻の赤外画像(右)

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積雲急発達プロダクト

積雲急発達プロダクトは、急速に発達する積乱雲を早期に検出するためのプロダクトです。 発達した積乱雲は航空機の運行に大きな影響を与えます。 気象庁では航空機の安全な運行を支援するために、急速に発達する積乱雲を「ひまわり」の観測データから検出し、 積雲急発達プロダクトとして、航空会社などの関係機関に提供を行っています。 気象庁では急速に発達する積乱雲を早期に検出することで、航空機の安全な運行を支援しています。

積雲急発達プロダクト
2017年4月30日12時35分(日本時間)の積雲急発達プロダクト。
緑色の領域が急速に発達している雲域として検出されている。

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強雨ポテンシャル域画像

強雨ポテンシャル域画像は、ひまわりの観測データから強い雨の降っている可能性のある領域を検出し、わかりやすく示した画像です。 アジア・太平洋地域では気象レーダーや雨量計などの降水量の観測ネットワークが充分に整備されていない地域が多くあります。 「ひまわり」の観測データから、そのような地域を含め強い雨の可能性のある領域を抽出することができます。 気象庁では、アジア・太平洋地域の気象機関の気象監視・災害軽減のために強雨ポテンシャル域画像の提供を行っています。

強雨ポテンシャル域画像
強雨ポテンシャル域画像(ピンク色の領域が強雨の可能性のある領域)
2017年6月1日14時40分(日本時間)

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海面水温

海の表面の水の温度を海面水温と呼びます。 「ひまわり」による観測では、雲のない領域は地表や海面からの放射を観測することになり、 複数の観測波長帯(バンド)を利用することで、晴れた領域の海面水温を推定することが出来ます。 気象庁では、「ひまわり」が観測したデータから海面水温を算出しており、「海面水温に関する診断表、データ」において海面水温データを公開しています。

海面水温
2017年4月15日の静止気象衛星ひまわりの観測から作成した海面水温画像

参考 : 「海面水温に関する診断表、データ」

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推計気象分布

「推計気象分布」は、アメダスや気象衛星の観測データ等をもとに気温と天気のきめ細かな分布を算出し、 視覚的に把握できる情報です。1kmメッシュの細かさで、気温(0.5℃毎)および天気(5種類:晴れ、くもり、雨、雨または雪、雪)の分布を表します。 推計気象分布は、「ひまわり」の観測データを利用し、晴れかくもりかを判定します。詳細は推計気象分布の概要をご覧ください。

推計気象分布図の説明 推計気象分布(天気)の推定

参考 : 最新の推計気象分布

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エーロゾルの光学的厚さ

エーロゾルは大気中に浮遊するちりなどの微粒子のことです。 大きさは半径0.001マイクロメートル程度から10マイクロメートル程度で、 化石燃料やバイオマス燃焼などの人間活動から放出されるものや、海塩粒子、土壌粒子などがあります。 エーロゾルは、太陽放射を散乱・吸収して地上に到達する日射量を減少させ、気温を低下させる「日傘効果」を持つ一方で、 地球からの赤外放射を吸収・再放射するという「温室効果」も持っています。 気象庁では、気象衛星の観測データから、日本付近の海域における、大気中のエーロゾル総量の指標となるエーロゾルの光学的厚さを算出しています。 このデータは、主に黄砂や火山灰、森林火災の煙といったエーロゾル飛来の実況監視に利用されます。 (1マイクロメートルは1ミリメートルの千分の1の長さ)

エーロゾルの光学的厚さ
エーロゾルの光学的厚さ(AOD)2017年5月1日12時(日本時間)

参考 : エーロゾルの観測

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大気追跡風

大気追跡風は、連続した複数枚の衛星画像を利用して、雲や水蒸気の動きを捉え、上空の風向や風速を算出するプロダクトです。 地球上の大部分を占める海洋では、風向や風速の観測が得られる場所は島や船舶などに限られています。 一方、気象衛星による観測では、広い範囲を一度に観測することができるため、海洋上の風向や風速を大気追跡風として取得することが出来ます。 「ひまわり」で得られた大気追跡風は世界中の気象機関に提供しており、日々の天気予報の精度向上に利用されています。

大気追跡風
2017年5月3日09時(日本時間)の大気追跡風

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晴天輝度温度

晴天輝度温度(Clear Sky Radiance)は、雲のない晴れた領域の気象衛星による赤外波長のバンドの観測値(輝度温度)の領域平均値を与えるプロダクトです。 晴天放射輝度温度プロダクトは、数値天気予報の初期値作成(同化)に利用することで、初期値の改善を通して、数値点予報の精度向上に利用されています。 気象庁では、「ひまわり」の観測データから晴天放射輝度温度プロダクト(CSR)を作成し、世界中の数値予報センターへの提供を行なっています。

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