三重県の気候特性

三重県

 三重県は、紀伊半島の東部に位置し、地形は「鷲」が羽を広げた形をしています。 南北の長さは約180km、東西の幅は10~80km、面積は約5,777k㎡です。 北は、養老山地・木曽三川を境に岐阜・愛知両県と、西は、鈴鹿山脈・信楽山地・笠取山地・台高山脈及び紀伊山地を隔てて、 滋賀・奈良・和歌山の各県及び京都府の一部と接しており、東は伊勢湾・熊野灘が開けています。 三重県の気候は平野部、盆地部、山地部と地形の複雑さから、多様な地域気候特性があります。

伊勢平野

 南北に長く広い平野であることから地域差もありますが、 年平均気温は全般に15℃前後、年平均降水量は1,800~2,000mmで一般に温和な気候です。 冬季は、鈴鹿山脈や山麓に降雪をもたらした北西の季節風が、乾燥した「空っ風」となって平野部を吹き渡り伊勢湾へと吹きぬけていく。 この北西の季節風は「鈴鹿おろし」と呼ばれています。

熊野灘沿岸

 紀伊山地が北西の季節風をさえぎることや、南岸の暖かい黒潮が流れていることから、 県下では最も温暖で、しかも雨の多い地域となっており、南四国や九州南東部と共通した南海型気候です。 志摩半島沿岸では年平均気温16℃、年平均降水量は2,000~2,500mmとなっています。 特に、尾鷲から大台ヶ原山系一帯は我が国屈指の多雨地帯として知られ、 尾鷲の年降水量の平年値は約4,000mmで、アメダス観測地点の中で鹿児島県屋久島、宮崎県えびの、高知県魚染瀬に次ぐ第4位です。

上野盆地

 山地を除くと、鈴鹿山麓から上野盆地にかけては、1月の平均気温は3℃で、県内では最も寒さの厳しい地域です。 逆に夏の暑さは場所によっては40℃を超えた記録もあるように、気温の年変化や日変化が大きく、典型的な内陸盆地気候です。 年降水量は1,300~1,500mmで県内で最も雨の少ない地域です。 また、年間を通じて盆地特有の放射霧が多く発生し、特に10~11月に発現率が高くなっています。

鈴鹿山麓

 年降水量は2,200~2,400mmと比較的多く、 岐阜・滋賀両県に県境を接する北部山麓では1mを超える大雪の記録もあり、山地を除けば県下で最も雪の降る地域です。

山地

 冬期、鈴鹿山脈の山頂部では、多い時には2mをこえる積雪となることもあり、 春から秋にかけての大台ヶ原山系を含む紀伊山地は、我が国屈指の多雨地帯として有名です。