宇都宮地方気象台長からのご挨拶

宇都宮地方気象台のホームページをご利用いただきありがとうございます。

当気象台は、明治23(1890)年8月15日に県営の栃木県宇都宮測候所として設立され、以来、130年を越える歳月の気象や地震の観測データを蓄積してきました。これらの観測記録は当ホームページからご覧いただくことができますので、是非、ご利用ください。

栃木県は北西部に火山が作り出した風光明媚な景観と世界遺産に登録された日光の神社仏閣の佇まいが素晴らしい日光国立公園、県中央部から南部には山々から流れる幾筋もの清流が作り出した肥沃な丘陵や扇状地に自然の恵みを享受して多くの人々が豊かに暮らす大変魅力あふれる県です。

栃木県の平野部は太平洋側に位置していることから、冬は晴天が続くという気候特性があります。併せて海の影響が小さいために朝と夜の寒暖差が大きくなる内陸型の特性も持ち合わせています。このような気候が50年以上連続して日本一の出荷量をほこる「いちご」の栽培を支えています。また、標高の高い北部の山地は一年を通して冷涼な山岳型の気候ですが、暑さに弱い乳牛の生育には最良な気候であり、全国2位の生乳の生産につながっています。

このように私たちの日々の暮らしと気象は切っても切れない関係がありますが、時として私たちの生活にダメージを及ぼすような災害を引き起こす要因となることがあります。気象台のホームページで宇都宮の観測史上1~10位の値を調べてみますと、日降水量の1位は令和元(2019)年10月12日の325.5mmとなっています。2位は昭和32(1957)年8月7日219.4mmですから、62年振りの更新、しかも2位との差が100㎜以上という値が記録として刻まれています。1位の雨は県内に大きな爪痕を残した「令和元年東日本台風」によってもたらされたものです。この台風による県内の住宅被害は全国で福島県に次ぐ大変甚大なものになりました。あらためて被災された皆様にお見舞い申し上げます。

栃木県には「令和元年東日本台風」、「平成27年9月関東・東北豪雨」と短期間に2度の大雨特別警報を発表しています。2度あることは3度あるといいます。災害は起こってほしくありませんが、地球温暖化とともに短時間の大雨が増加することが予測されていますし、広い範囲で長時間猛烈な雨が降り続く線状降水帯が当県にかかることも想定しておく必要があります。

当気象台ではこのような異常気象時に県民の皆様の命を守るため、わかりやすく確実に伝わるような防災気象情報の発表を行ってまいります。また、気象や地震・火山による災害が発生した場合には被災地に職員を派遣し、住民の皆様の安全を守る情報や復旧・救助活動を支援するためのきめ細かな情報の提供など、県民の皆様に寄り添った取り組みをこれからも推進してまいります。


令和3年4月
宇都宮地方気象台長 山田 博文(やまだ ひろふみ)

宇都宮測候所時代の庁舎

宇都宮地方気象台長