栃木県の主な地震災害

 栃木県に被害を及ぼす地震は、主に陸域の浅い場所で発生する地震です。
 県北西部はマグニチュード6~7クラスの地震活動が確認されており、1683年や1949年の地震は震源が浅く住家が近いこともあって大きな被害が出ました。
 また、那須岳の西側の那須塩原市から矢板市に至る長さ約40kmにも及ぶ「関谷断層」という活断層が確認されており、その動向にも注視していく必要があります。
 周辺地域で起きる地震でも、1923年や2011年の地震のように地震の規模が大きくなると被害が出ることがあります。

1683年 日光地震

6月17日と18日、10月20日と相次いで地震が発生しました。
いずれも栃木県に震源をもつ地震と考えられ、日光東照宮の宝塔が破損し石垣が崩れるなど被害が出ました(出典:日本被害地震総覧)。
また、10月の地震では地震の規模を示すマグニチュードは7と推定され「天和の大地震」と呼ばれています。
この地震では、大規模な土砂崩れにより男鹿川がせき止められ旧五十里湖が形成されました。
その後、この天然のダム湖は40年後の1723年に大雨により決壊し、下流域に甚大な被害をもたらしました(出典:栃木県HP)。


1923年 大正関東地震(関東大震災)

9月1日11時58分に神奈川県西部を震源とするマグニチュード7.9の地震が発生しました。
この地震により埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県で最大震度6、栃木県でも震度5が観測されました。
大きな揺れによる家屋の倒壊や山崩れ、震源断層が海域まで達していたことによる津波、東京などの都市部では大規模火災も発生し、死者・行方不明者は約10万人にのぼりました。
栃木県は震源からやや遠かったこともあり、負傷者3名、家屋全壊16棟、半壊2棟の被害となりました(出典:日本被害地震総覧)。


1949年 今市地震

栃木県内を震源とする近年の大地震として、1949年(昭和24年)12月26日の今市地震があります。
この地震は同じような規模の地震が短い間に2回起きたことが知られています(8時17分のマグニチュード6.2の地震の後、8分後により大きなマグニチュード6.4の地震が発生)。
震源は日光市(旧今市市付近)で、死者・行方不明10名、家屋の全半壊約3300棟という大きな被害となりました(出典:日本被害地震総覧)。


2011年 東北地方太平洋沖地震

3月11日14時46分に三陸沖で発生したこの地震は、マグニチュード9.0となる国内観測史上最大の地震でした。
そのため、震源は栃木県からはるか遠い三陸沖にあるにもかかわらず、県内では大田原市、宇都宮市、真岡市、市貝町、高根沢町で震度6強を観測するなど、県内全域で震度4以上の揺れとなりました。
また、死者4名、住家全半壊2000棟以上、土砂災害、地盤の液状化など県内で大きな被害が出ました(出典:栃木県HP)。
気象庁はこの地震を「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」と命名しています。


栃木県内の主な被害地震(1900年以降)

                                                           
年月日被害概要震源地宇都宮地方気象台の震度県内最大震度
1923.9.1負傷者3名、家屋全壊16棟、半壊2棟神奈川県西部
1931.9.21屋根・壁等の崩落埼玉県西部
1949.12.26死者行方不明10名、負傷163名、住宅全半壊約3300棟栃木県北部(旧今市市付近)6相当:今市
1996.12.21負傷者1名、住宅一部破壊47棟(出展:栃木県地域防災計画)茨城県南部5弱:日光、今市、益子
2011.3.11死者4名、住宅全壊250棟以上、半壊2000棟以上等(出展:栃木県HP)三陸沖5強6強:大田原、宇都宮、真岡、市貝、高根沢

※ 被害概要については、特に記載のないものは日本被害地震総覧より引用。