栃木県の主な火山災害 <「日本活火山総覧(第4版) 平成25年3月 気象庁編」から引用 >

 栃木県内には「那須岳」「日光白根山」「高原山」「男体山」という4つの活火山(活動火山)があります。

 全国には111の活火山(令和元年6月現在)があり、気象庁ではこのうち50火山(令和元年6月現在)については、他機関(大学等研究機関や自治体・防災機関等)の協力を得ながら、地震計、GNSS(GPS)、傾斜計、空振計、遠望カメラなどにより、24時間体制で活動状態を監視しています。
 那須岳と日光白根山も常時観測を行っています。


 近年の大きな火山災害といえば、雲仙・普賢岳、北海道・有珠山、三宅島、御嶽山などが記憶に新しいものとなっています。
 火山には、活動周期の短い火山もありますが、活動周期の長い火山もあり、御嶽山は有史以来はじめて1979年に噴火しました。その後小規模な噴火をはさみ、2014年の噴火では戦後最悪となる火山災害となりました。
 火山も地震と同じように長い期間で活動を見守る必要があります。


那須岳の主な活動と災害(有史以降)    【那須岳の活動状況、噴火警戒レベル】   火山への登山のしおり(那須岳版)

冬の那須岳の写真です。

 那須岳の概要: 那須岳は、「茶臼岳」、「朝日岳」、「三本槍岳」、「南月山」、「黒尾谷岳」などの総称です。(写真は茶臼岳)
           このうち「茶臼岳」が最も新しく、特に西斜面の2つの爆裂火口内では活発な噴気活動が続いています。
           有史以後の噴火はすべて爆発型で泥流が生じやすくなっています。

 1408~10年・・中規模水蒸気噴火→マグマ噴火あり。那珂川黄変、死者180名あまり、牛馬多数被害。
 1881年・・小規模水蒸気噴火。鳴動、噴石、降灰を観測。那珂川の魚被害。
 1953年・・水蒸気噴火。降南6kmに及ぶ。
 1960年・・水蒸気噴火。噴石、北方0.8kmまで降灰。
 1963年・・水蒸気噴火。茶臼岳西斜面の無間火孔で小爆発、付近に降灰。

  2007年12月1日 噴火予報(平常:「火山活動はこれまでと変わらず静穏な状況で、火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は見られません。」)が発表される。
  2009年3月31日 那須岳の噴火警戒レベル[PDF]運用開始


日光白根山の活動(有史以降)    【日光白根山の活動状況、噴火警戒レベル】   火山への登山のしおり(日光白根山版)

 1649年・・中規模水蒸気噴火。山頂噴火、降灰多量、新火口生成、頂上の神社全壊。
 1872年・・水蒸気噴火?。南西斜面の中腹に火口生成、噴煙。
 1873年・・水蒸気噴火? 。噴煙、降灰砂、利根川の魚被害。
 1889年・・水蒸気噴火?。鳴動、降灰あり、片品川濁る。

  2007年12月1日 噴火予報(平常:「火山活動はこれまでと変わらず静穏な状況で、火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は見られません。」)が発表される。
  2016年12月6日 日光白根山の噴火警戒レベル[PDF]運用開始


高原山の活動(有史以降)    【高原山の活動状況】

 歴史時代での噴火記録はありませんが、高原山の単成火山群の一つである富士山近くの新湯には噴気活動があります。

  2007年12月1日 噴火予報(平常:「火山活動はこれまでと変わらず静穏な状況で、火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は見られません。」)が発表される。

男体山の活動(有史以降)    【男体山の活動状況】

 有史以降の噴火記録はありません。最新の噴火は約7000年前に発生したマグマ水蒸気噴火とされています。

  2017年12月5日 噴火予報(「男体山の火山活動は静穏な状況です。活火山であることに留意してください。」)が発表される。