風雪をもたらしたシベリア高気圧が次第に勢力を弱め、オホーツク海の流氷も沖へ去り、暖かい南よりの風が吹き始めると、 長い冬も終わりを告げ春の訪れとなります。
根雪(気象台では長期積雪と呼んでいます)は4月の上旬から中旬にかけ無くなり、下旬になると最高気温が10度を超えるようになります。
しかし、ゴールデンウイーク頃までは、雪も降るため、コート・薄手のセーター(厚手のセーター1枚は予備に持参)などの防寒対策や、 雪解けの水で足元が汚れやすいので、靴を選ぶ際には注意が必要です。
風雪をもたらしたシベリア高気圧が次第に勢力を弱め、オホーツク海の流氷も沖へ去り、暖かい南よりの風が吹き始めると、 長い冬も終わりを告げ春の訪れとなります。
根雪(気象台では長期積雪と呼んでいます)は4月の上旬から中旬にかけ無くなり、下旬になると最高気温が10度を超えるようになります。
しかし、ゴールデンウイーク頃までは、雪も降るため、コート・薄手のセーター(厚手のセーター1枚は予備に持参)などの防寒対策や、 雪解けの水で足元が汚れやすいので、靴を選ぶ際には注意が必要です。
春の利尻山
移動性高気圧が頻繁に進んできて、4月下旬から5月上旬にはウグイスが鳴き始め、タンポポなどの花が咲き始めます。
白鳥などの渡り鳥はシベリアへ帰っていきます。
この頃、北上中の桜前線は、1日約20キロメートルの速さで稚内まで進んできます。
本州で咲く”ソメイヨシノ”は北海道では育ちにくいので、稚内では”えぞやまざくら”で開花の観測を行っています。
稚内の桜の開花日は、平年で5月13日となっています。
天北緑地の桜
桜(開花) | 5月13日 |
---|---|
桜(満開) | 5月16日 |
タンポポ(開花) | 5月10日 |
ウグイス(初鳴) | 4月27日 |
やまつつじ(開花) | 6月4日 |
あじさい真花(開花) | 8月12日 |
宗谷地方の夏は短く、冷涼な天候をもたらすオホーツク海高気圧が張り出し、曇りがちで雨や霧雨といった、ぐずついた天気が多くなります。
風の強い稚内も平均するとこの時期が一番弱くなります。
サロベツ原野、利尻・礼文では、高山植物が咲き競い、本格的な観光シーズンとなります。
稚内では30度を超えることはほとんどなく梅雨のない涼しい夏が過ぎていきますが、内陸部では、最高気温が30度以上の真夏日となる地域もあります。
日中は気温が上がるため、半袖で過ごす事が出来ますが、朝夕は涼しいので、長袖の服やかるく羽織れるカーディガンなどがあると便利です。
初夏の利尻山
稚内の夏を気温で見てみると、最高気温が25度以上の夏日は、1年間に多い年では15日間くらいあった年もありましたが、2、3日の年もあります。
最近では、2021年に、夏日が32日と多くなり、30度を超えた真夏日も5日ありました。
この年を除けば、ここ10年くらい、真夏日を記録した年がありません。
平年値では、夏日が8.1日、真夏日が0.0日となっています。
宗谷地方南部の枝幸町では、稚内よりも暖かい日が多い傾向です。
年 | 夏日 | 真夏日 | 年 | 夏日 | 真夏日 | 年 | 夏日 | 真夏日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2000 | 21 | 1 | 2010 | 23 | 0 | 2020 | 8 | 0 |
2001 | 5 | 0 | 2011 | 16 | 0 | 2021 | 32 | 5 |
2002 | 2 | 0 | 2012 | 17 | 0 | 2022 | 16 | 0 |
2003 | 0 | 0 | 2013 | 13 | 0 | |||
2004 | 6 | 0 | 2014 | 10 | 0 | |||
2005 | 11 | 0 | 2015 | 8 | 0 | |||
2006 | 15 | 0 | 2016 | 15 | 0 | |||
2007 | 6 | 0 | 2017 | 3 | 0 | |||
2008 | 2 | 0 | 2018 | 6 | 0 | |||
2009 | 1 | 0 | 2019 | 10 | 0 |
牧草ロールと夏の空
夏といえば海水浴のシーズン(※海水浴に適した海水温は23~25度と言われています)ですが、8月の稚内の海水温は20度前後とやや低く、 海水浴に適温とは言えないようです。
夏から秋にかけては、雨の降る量が多くなる季節で、大雨となることもあります。
北海道では、お盆を過ぎると夏が終わったと感じる人が多くいるように、8月の下旬から日平均気温が毎日0.1度から0.2度ずつ下がって、 木の葉が色づき始め、次第に強風の日が多くなってきます。
9月までは日中は暖かく長袖だけで過ごす事が出来ますが、朝晩の冷え込みは厳しいので、薄手のセーターやコートなどがあると良いでしょう。
稚内公園のシマリス
稚内の9月は、日照時間の平年値を見ると「日照率40%以上の日数」が最も多い月となっており、平均気温も17度前後のため、 スポーツなどで快い汗を流すには最適の季節です。
ただし、それと同時に雷も1年のうちで最も多くなる頃でもあります。
1年間で発生する雷のうち、約6割が9月から10月にかけてに集中します。
月 | 合計(時間) | 不照(日数) | 日照率40%以上の日数 |
---|---|---|---|
1月 | 40.6 | 8.8 | 3.7 |
2月 | 74.7 | 4.6 | 7.4 |
3月 | 137.5 | 4.7 | 13.6 |
4月 | 173.5 | 4.3 | 16.1 |
5月 | 181.6 | 5.6 | 14.9 |
6月 | 154.6 | 6.6 | 11.8 |
7月 | 142.7 | 7.1 | 11.0 |
8月 | 150.7 | 5.8 | 12.8 |
9月 | 172.1 | 3.8 | 17.1 |
10月 | 134.6 | 3.1 | 15.0 |
11月 | 55.9 | 7.2 | 5.9 |
12月 | 28.4 | 10.3 | 2.4 |
10月上旬になると利尻山山頂で初冠雪が観測されます。
下旬には平地で初雪がちらつき、急速に冬が近づいてきます。
水たまりに氷が張る結氷(けっぴょう)や霜も、11月上旬頃に観測され、下旬になると、積もった雪がとけずに根雪(長期積雪)になります。
冬期間は、北から北西の季節風が強くなり、寒波が押し寄せ吹雪に見舞われる日が多くなります。
1年を通して雪の降る量は1月が最も多く、毎日のように雪が降って、晴天の日はほとんど無くなり、 日照時間は1日で1~2時間程度で太陽が顔を見せないことが多くなります。
また、季節風も強くなるため、2月にかけて吹雪の日が多くなります。
外出の際は、厚手のコート、ダウンジャケット、手袋、帽子などでしっかりと防寒対策をし、 靴は雪の入らない長めのものや滑り止めが付いたものが良いでしょう。
ノシャップ岬の夕暮れ
稚内は海が近いので旭川などの内陸部のように最低気温がマイナス20度以下になることはありませんが、 12月から3月にかけては「冬日」(最低気温が0度未満の日)が続き、1月、2月は1日の最高気温が0度未満となる「真冬日」が多くなります。
1月の初め頃には港内が凍り始めます。
2月上旬頃、流氷がやってきます。
流氷の観測は気象台の屋上から行います。
また、2月は積雪が最も深くなる頃で、冷え込みも厳しく、最低気温の平均がマイナス6.7度と一番低くなる月です。
3月になると真冬日は少なくなり、太陽が顔を出す時間が多くなってきます。また、雪の降る量も少なくなります。
冬の宗谷岬
初日 | 終日 | |||||
2023寒候年 | 2022寒候年 | 平年 | 2023寒候年 | 2022寒候年 | 平年 | |
雪 | 11月 3日 | 10月17日 | 10月19日 | 4月13日 | 5月10日 | |
積雪 | 11月30日 | 11月24日 | 11月12日 | 4月 3日 | 4月12日 | |
長期積雪 | 11月30日 | 12月13日 | 12月 3日 | 4月 3日 | 3月29日 | |
初冠雪(利尻山) | 10月 5日 | 10月 7日 | 10月 3日 | (観測していない) | ||
霜 | 11月20日 | ✕ | ✕ | (観測していない) | ||
結氷 | 11月15日 | 11月21日 | 11月 5日 | (観測していない) |