【コラム1】九州北部地方(福岡)の気候は日本海型?

 冬(12~2月)になると、筑紫山地の北側に位置する福岡などは、冬型の気圧配置(西高東低)になると曇天になることが多く、雪が降ることもあります。 図6-1の福岡の雲量を例に見ると、冬は雲の量が比較的多く、太平洋側(宮崎)よりも日本海側(金沢)の気候と似ています。 ただし、九州北部地方の中でも東部に位置する大分については、あまりこの傾向が当てはまらず、冬は雲の量が少ない宮崎に近い傾向になります。
 一方、図6-2の降水量を見ると、梅雨時期を中心に夏から秋に多い傾向があることは3地点に共通していますが、 冬の福岡の降水量は、冬に比較的多い日本海側(金沢)よりは、少ない太平洋側(宮崎)に似ています。

図6-1
図6-1 旬平均雲量の平年値(福岡・宮崎・金沢)
図6-2
図6-2 旬平均降水量の平年値(福岡・宮崎・金沢)

 日本海側の地域では、冬型の気圧配置のときに、季節風(北西風)により大陸からの冷たい空気が流れ込みやすく、比較的暖かい海面(日本海や対馬海峡付近)に触れることにより、海面から熱や水蒸気の供給が行われて雲が発生しやすくなります。 しかし、九州北部地方に流れ込む北西風の上流には朝鮮半島が存在するため、他の日本海側の地域と比べると海面に触れる距離が短く、熱や水蒸気の供給が十分ではありません(図6-3)。
 そのため、福岡のように九州北部地方の中でも日本海・対馬海峡付近に面する地域の気候は、冬に雲量が多い「日本海型」に近く、冬に降水量が少ない「太平洋型」に近いというユニークな特徴があります。
 山陰地方以東の日本海側では大雪となる一方、九州北部地方では雪が少なかった事例として、2015年2月9日12時の気象衛星ひまわりによる可視画像を図6-4で紹介しています。 この日は、北海道の北で発達し北上する低気圧と大陸から張り出してくる高気圧により、日本付近には強い寒気が流れ込みました。 日本海には、季節風により大陸から流れてくる冷たい空気が海上を吹くことにより発生する対流雲(ここでは、吹き出し雲と呼ぶ)が明瞭に見えていますが、海上を吹く距離の短い対馬海峡付近には、吹き出し雲の発生が少ないことがよくわかります。

図6-3
図6-3 冬の寒気が日本海上を吹く距離の違い
図6-4
図6-4 2015年2月9日12時の気象衛星ひまわりによる可視画像


福岡の天気についての関連リンク⇒天気のはなし

戻る(九州北部地方の天候の特徴)