千葉県の気象特性

千葉県の地勢

     千葉県は日本列島のほぼ中央に位置し、東西約100km、南北約134kmで一部が太平洋に突き出た半島です。 千葉県の南部房総半島は太平洋に面し、西は一部東京湾を臨み、北西は江戸川を隔てて東京都と埼玉県に接し、北は利根川を境に茨城県に接しており、四方を海と川に囲まれています。

     半島の東方沿岸沿いに黒潮が流れているため、気候は温帯地方の温暖な海洋性気候となっています。

     地形の特徴は、全体に標高が低く、丘陵の大部分が200m以下であり、最高点の愛宕山でも408mです。平均海抜は49mで、全国的にみても日本一の低平な県といえます。

千葉県の四季の天気特性

  1. 冬(12月~2月)
  2.  シベリア大陸では高気圧が発達し、日本付近は西高東低の気圧配置(冬型)となり、大陸から冷たい北西の季節風が吹いてきます。 12月~2月上旬までは冬型が安定しやすく、晴れて湿度の低い日が年間で最も多くなります。 県北西部や北東部では北または北西の風が、県南部では西または西南西の風が卓越します。 寒さが最も厳しいのは1月下旬~2月上旬にかけてです。冬型が緩み低気圧が南海上を通過する際には雨や雪が降り、 低気圧が発達する場合は強風や高波を伴うことがあります。降雪は1月~2月に多く見られます。 2月中旬になると、寒さは緩み始めますが、南の前線や低気圧の影響を受け、晴れる日が減り、曇りや雨の日が増えてきます。 県南部の沿岸域では早春の花々が咲き始め、関東地方で最も早い春の到来を感じさせます。

    地上天気図(冬)

    冬 平成20年1月25日の地上天気図

  3. 春(3月~5月)
  4.  春は冬から夏への移行期で、風が強く天気変化の激しい季節です。 3月には気温が上昇してきますが、一時的に冬型に戻り寒い日があります。また、本州の南海上を低気圧が通過し、春の淡雪をもたらすことがあります。 3月下旬~4月前半にかけては、南岸に前線が停滞して曇りや雨の日が多く、「菜種(なたね)梅雨」と呼ばれます。県内の桜の開花はこの時期になります。 春本番に入り、移動性高気圧に覆われた日には晴れて気温は上昇し、県内の浜辺では潮干狩りに適した日和となります。 しかし、低気圧が発達しながら日本海や本州南岸を進むときには強風となり、寒冷前線の通過の際には雷、突風、降ひょうを伴うこともあり、注意が必要です。 5月中旬頃には、「梅雨のはしり」で曇りや雨の日が多い一時期があります。

    地上天気図(春)

    春 平成18年4月9日の地上天気図

  5. 梅雨(通常、6月上旬後半~7月中旬後半)
  6.  初夏を過ぎると、太平洋高気圧が南海上まで張り出し、オホーツク海高気圧も明瞭になってきます。 このため、本州南岸付近に前線が停滞し、曇りや雨の日が続きます。湿度が高くうっとうしい時期ですが、アジサイなどの花々の色が冴える時期でもあります。 県内では、6月中旬~7月上旬に雨量が多くなります。特に、台風が梅雨前線の南西側にあり、南から暖湿な気流を前線に送り込む場合には前線活動が活発になり、県南部を中心に大雨となることがあります。 この時期は、県内全般に霧が発生しやすい時期でもあります。特に、県北東部の沿岸域では、5月~8月にかけて海霧が発生しやすくなります。

    地上天気図(梅雨)

    梅雨 平成19年7月14日の地上天気図

  7. 盛夏(7月下旬~8月)
  8.  梅雨明け後しばらくは太平洋高気圧が日本を広くおおい、日中は南よりの風が吹き、蒸し暑い晴天の日が続き、天気が安定します。 日照時間が最も多いのもこの頃です。しかし、上空に寒気が入った時や湿度が高く風が弱い時などには、強い日射により積乱雲が発達し、 午後になると短時間強雨や落雷、突風をもたらすことがあります。 海の影響を受けやすい本県では真夏日が比較的少ない方ですが、8月後半になっても暑さが続く傾向があります。 太平洋高気圧の勢力が強いため、日本の南海上の台風も西進することが多く、太平洋沿岸では土用波と呼ばれるうねりの影響が現れるようになります。海のレジャーなどの際には注意が必要です。

    地上天気図(梅雨)

    盛夏 平成19年8月15日の地上天気図

  9. 秋・台風(9月~11月)
  10.  初めは残暑も残りますが、太平洋高気圧の後退とともに北の高気圧の影響を受け、秋雨前線が南岸付近に停滞します。 同時に台風が関東地方に接近しやすくなります。本県では9月中旬~10月中旬にかけて最も雨量が多くなります。 関東地方に上陸・接近する台風は8月下旬~10月上旬にかけてが最も多く、過去に顕著な風水害をもたらした台風もこの頃のものです。 勢力の強い台風が本県の近くを通る場合は、豪雨による河川の氾濫や低地の浸水、崖崩れなどの他に、暴風や高波・高潮を伴うので厳重な警戒が必要です。 秋雨前線の南西側に台風があり、暖湿な空気が前線に流入する場合にも大雨となります。 10月下旬になると、移動性高気圧におおわれ、気温・湿度ともに下降し、秋晴れの穏やかでさわやかな天気となりやすく、行楽に適した時期です。 また、10月、11月は県北西部の台地などで早朝に放射霧が現れることがあります。 11月になるとさらに気温は下降し、晴れて風が弱い日には朝晩の冷え込みが強くなり、南部の丘陵地帯では霜が降りることがあります。 その後、シベリア大陸の高気庄が発達し冬型となり、「木枯らし」が吹くようになります。

    地上天気図(梅雨)

    秋・台風 平成16年10月9日の地上天気図

    ※この欄では平年の天候特性を記述します。年により現象が起こる時期がずれたり、起こる程度に強弱が出ることもあります。

気象要素から見た気象特性

  1. 気温
  2.  暑さの指標として、年間の最高気温が30℃を超える日数の平年値を見ると、海の影響を受けやすい銚子や勝浦で11日~13日に対し、 その他の地域では30日を超える所が多くなっています。特に牛久や木更津で多く、それぞれ50日を超えています。

     また、寒さの指標として、最低気温0℃未満の日数の平年値を見ると、海に面していない内陸部で60日を超えているのに対して、 千葉、銚子、勝浦などの沿岸部では10日前後と少なくなっています。

    30℃以上の日数

    0℃以下の日数

  3. 降水量
  4.  南部では他の地域に比べて降水量が多く、特に大多喜(南部丘陵地域)付近を中心とした比較的狭い範囲で強い雨が多く降ります。

     年間における日雨量が50mm以上の日数の平年値は、南部で7日を超える地点が多いのに対して、北部では4~6日程度です。 年間降水量の平年値を見ると、北部で1400~1600mm程度であるのに対し、南部では2000mmを超える所があり、最も多いのは大多喜の2236.9mmとなっています。

    50mm以上の日数

    年間降水量平年値

  5. 風向
  6.  冬季はシベリア高気圧が発達し寒冷な北西風が多く、夏季は太平洋高気圧からの高温多湿な南寄りの風が多くなります。 春季・秋季は移動性高気圧や低気圧が周期的に通過するため、卓越風は少なくなり、高気圧や低気圧の経路によって風向は異なってきます。

  7. 風速
  8.  一般的に海岸線沿い、南や北に開いた海に面した地域などで強い風が吹きます。 千葉県内における年間を通しての平均風速は沿岸部でおよそ3~6m/s、内陸部でおよそ2m/s以下です。ただ、内陸部でも成田では風が吹きやすく年間を通しての平均風速は3.7m/sとなっています。

     日最大風速の平年値を見ると、千葉市を中心とした東京湾内湾と、銚子市を中心とした地域は、県下でも強い風が多く、日最大風速10m/s以上の日数の平年値が、銚子では140日以上、千葉では70日以上あります。 また、内陸部でも成田はやはり風が吹きやすく、52日と多くなっています。

    平均風速の平年値

    10メートル以上の日数

    〔統計期間〕 香取・船橋:2000~2010年、成田:2003~2010年、我孫子※:1981~2009年、 木更津※:1981~2005年、その他の地点:1981~2010年 ※印を付加した観測所は移設により統計期間が短いため、旧観測所の値の平均値を使用しています。