2008年6月19日~22日の大雨

気象概況

 梅雨前線に向かって吹き込む暖かく湿った空気の影響で前線の活動が活発化し、6月19日から22日にかけて、九州北部地方を中心に大雨となった。

 18日夜に朝鮮半島南岸にあった梅雨前線は19日からゆっくり南下を始め、21日にかけて対馬海峡付近でほとんど停滞した。 九州付近には南から暖かく湿った空気が流れ込んで大気の不安定な状態が続き大雨となった。 特に、佐賀県嬉野では19日06時27分までの1時間に83.5ミリの猛烈な雨(6月の第1位を更新)、 福岡県添田町野田で21日13時59分までの1時間に73.5ミリの非常に激しい雨となり、 日降水量では21日に熊本県甲佐で273.5ミリ(6月の第1位を更新)を観測した。

 その後、梅雨前線は21日夜から22日にかけて九州を南下し、九州西海上から発達した積乱雲が熊本県付近に次々に流れ込み、 22日02時40分までの1時間に熊本県山江で78.0ミリ、04時までの1時間に同県湯前町湯前横谷で69.5ミリの非常に激しい雨を観測した。 19日の0時から22日24時までの4日間の総降水量は、熊本県甲佐で437.5ミリ(6月の月降水量平年値の101%)、 福岡県の添田町野田で339ミリ(同98%)、佐賀県の佐賀市駅前中央で309ミリ(同83%)などとなり、6月の月降水量に匹敵する大雨となった。

被害状況

 22日、熊本県多良木町で住宅の裏山が崩れ、1名が亡くなった。 住家被害としては、22日に鹿児島県大崎町で落雷により民家が全焼したほか、 住家の一部損壊が福岡県、宮崎県を除く各県で数か所あった。 また、佐賀県の佐賀市や白石町、熊本県の球磨村や芦北町などを中心に床上浸水56棟、床下浸水741棟となった。 がけ崩れとしては、福岡県の川崎町や嘉麻市、鹿児島県の蒲生町などを中心に117か所となった。

主な被害の状況(6月19日~22日)

死傷者
(名)
住家(棟) 山がけ崩れ
(か所)
全壊・全焼 半壊・半焼 一部損壊 床上浸水 床下浸水
山口県 1 14 11
福岡県 16 53
佐賀県 2 25 506 4
長崎県 2 2 5 16
熊本県 1 3 29 199 1
鹿児島県 1 1 1 32
合計 1 1 0 9 56 741 117

各県調べ

降水の状況(6月19日~22日)

降水量分布図(6月19日~22日)

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