積雲や積乱雲から爆発的に吹き降ろす気流およびこれが地表に衝突して吹き出す破壊的な気流をダウンバーストといいます。 ダウンバーストはその水平的な広がりの大きさにより2つに分類することがあり、広がりが4km以上をマクロバースト、4km以内をマイクロバーストと呼んでいます。
ダウンバーストのはなし
ダウンバーストとは
ダウンバーストのイメージ図
ダウンバーストは積乱雲から発生する、冷えて重くなった強い下降流のことで、地面に到達後激しく発散します。
青矢印はダウンバーストの空気の流れを表しています。
ダウンバーストの被害の様子
青矢印はダウンバーストの空気の流れ、黒矢印は樹木等の倒壊方向です。積乱雲が移動している場合には、このように移動方向の吹き出しのみが強くなる場合がほとんどです。
吹き出しの強さに対応して倒壊物の方向も一方向や扇状になることが少なくありません。
ダウンバーストの現象・被害等の特徴
- 強風の吹き始めから終わりまでほぼ風向が一定である。
- 発生場所付近に対応するレーダーエコーがある。
- 気圧が上昇する。
- 強風の開始と同時に気温が下降し、湿度が上昇する。
- 被害地域は竜巻のように「帯状」ではなく、「面的」に広がる。
- 残された飛散物の飛散方向や倒壊物の方向は同じか、ある点から広がる形となる。
- 竜巻の時のようなゴーという音はしない。
参考文献
- 大野久雄(2001):雷雨とメソ気象.東京出版,309pp.
- 日本気象学会編(1998):気象科学辞典.東京書籍,637pp.
- Fujita,T.T.(1992):Mystery of Severe Storms.The University of Chicago,298pp.