Fスケール

 注:気象庁では、平成28年4月より「 日本版改良藤田スケール(JEFスケール) 」を突風調査における風速の評定に使用しています。

Fスケールとは

Fスケール(藤田のスケール)とは、竜巻やダウンバーストなどの風速を、構造物などの被害調査から簡便に推定するため、 1971年に当時シカゴ大学の教授であった故・藤田哲也氏により考案された風速のスケールで、世界的に採用されています。 日本ではこれまでF4以上の竜巻は観測されていないと言われています。

Fスケールと被害の対応

F0 17~32m/s(約15秒間の平均)
テレビアンテナなどの弱い構造物が倒れる。小枝が折れ、根の浅い木が傾くことがある。非住家が壊れるかもしれない。
F1 33~49m/s(約10秒間の平均)
屋根瓦が飛び、ガラス窓が割れる。ビニールハウスの被害甚大。根の弱い木は倒れ、強い木は幹が折れたりする。走っている自動車が横風を受けると、道から吹き落とされる。
F2 50~69m/s(約7秒間の平均)
住家の屋根がはぎとられ、弱い非住家は倒壊する。大木が倒れたり、ねじ切られる。自動車が道から吹き飛ばされ、汽車が脱線することがある。
F3 70~92m/s(約5秒間の平均)
壁が押し倒され住家が倒壊する。非住家はバラバラになって飛散し、鉄骨づくりでもつぶれる。汽車は転覆し、自動車はもち上げられて飛ばされる。森林の大木でも、大半折れるか倒れるかし、引き抜かれることもある。
F4 93~116m/s(約4秒間の平均)
住家がバラバラになって辺りに飛散し、弱い非住家は跡形なく吹き飛ばされてしまう。鉄骨づくりでもペシャンコ。列車が吹き飛ばされ、自動車は何十mも空中飛行する。1t以上ある物体が降ってきて、危険この上もない。
F5 117~142m/s(約3秒間の平均)
住家は跡形もなく吹き飛ばされるし、立木の皮がはぎとられてしまったりする。自動車、列車などがもち上げられて飛行し、とんでもないところまで飛ばされる。数tもある物体がどこからともなく降ってくる。

参考文献

  • 日本気象学会編(1998):気象科学辞典.東京書籍,637pp.