竜巻のはなし

竜巻とは

竜巻とは、積乱雲または積雲に伴って発生する鉛直軸をもつ激しい渦巻きで、 しばしば漏斗状または柱状の雲(「漏斗雲」といいます。)を伴っています。 また、竜巻の中心では周囲より気圧が低くなっていますので、地表面の近くでは 風は渦に向かって内側に、普通は反時計回りの方向に回転しながららせん状に吹き込み、 漏斗雲の中に急速に巻き上がっていきます。

竜巻とその被害の様子

竜巻とその被害の様子

赤矢印は空気の流れ、黒矢印は樹木等の倒壊方向、白点線は竜巻の経路を表しています。竜巻の発生時にはしばしば積乱雲から漏斗状の雲がのびています。 竜巻は周囲の空気を吸い上げながら移動しますので、倒壊物等は竜巻の経路に集まる形で残ります。

竜巻の現象・被害等の特徴

  • 竜巻の移動とともに風向が回転する。
  • 発生場所付近に対応するレーダーエコーがある。
  • 気圧が下降する。急激な気圧低下に伴って、耳に異常を訴える場合がある。
  • 被害地域は細い帯状となることが多い。
  • 残された飛散物や倒壊物はある点や線に集まる形で残る。
  • 重量物(屋根・扉など)が舞い上げられたように移動する。
  • 漏斗雲を目撃したり、飛散物が筒状に舞い上がっているのを目撃する。飛散物が降ってくる。
  • ゴーというジェット機のような轟音をすることが多い。

参考文献

  • 大野久雄(2001):雷雨とメソ気象.東京出版,309pp.
  • 日本気象学会編(1998):気象科学辞典.東京書籍,637pp.
  • Fujita,T.T.(1992):Mystery of Severe Storms.The University of Chicago,298pp.