石垣島地方気象台長 挨拶
本年1月1日に発生した能登半島地震により被災された多くのみなさまに、衷心よりお悔やみ申し上げ、今もなおご自宅に戻ることができないみなさまにお見舞い申し上げます。
八重山は、1771年4月24日の明和大津波により、人口の3割、9000人を上回る尊い命を失いました。八重山にとって、能登半島地震は他人事ではなく、今も地震・津波防災にとりくんでいるところです。
石垣島測候所が当地に設立されたのは、1896年のことでした。以来、測候所(テンブンヤー)は一日も欠かさず戦火の中も気象観測を続け、2017年には世界気象機関から国内唯一の「百年観測所」と認定されました。
構内に胸像が建つ岩崎卓爾は、昭和7年の退官まで30年あまり所長を務めただけでなく、八重山の自然・文化・民俗について研究・発信し、地域の住民とも深く交流、八重山の若者の人材育成に努め、「テンブンヤーヌウシュマイ」(測候所のおじいさん)と慕われました。
私たちは、岩崎の後継者であることを誇りに、防災意識をともに高め、防災に適う人材をともに育成していく気象台でありたいと思っています。今一層の気象台へのご支援・ご指導を地域のみなさんにお願いいたします。
去る4月3日に台湾付近で発生した地震により、気象庁は宮古島・八重山地方と沖縄本島地方に津波警報を発表しました。多くの住民のみなさま、観光客のみなさまには、避難行動をとっていただいたことに感謝申し上げます。また、迅速な避難誘導を行っていただいた各自治体、警察、消防、学校、事業所をはじめ関係機関のみなさんに深く御礼申し上げます。
令和6年4月11日 石垣島地方気象台長 林 和 彦
石垣島地方気象台長
設立当初、石垣島では測候所のことを「天文屋」と呼んでおり、八重山地方の読み方が「テンブンヤー」であったことに由来しています。
ウシュマイとは・・・
八重山の方言で、「お爺さん」のこと。