地球温暖化について

鹿児島地方気象台長 瀧下


 こんにちは、鹿児島地方気象台長の瀧下です。

 地球温暖化は、大気中に二酸化炭素などの温室効果ガスが増えることで、地表面の熱が逃げにくくなり、地球規模で気温や海水温が上昇する現象です。平均的な気温の上昇のみならず、異常高温(熱波)や大雨・干ばつの増加などの様々な気候の変化を伴います。

 日本の気候変化を見ると、年平均気温は100年あたり約1.2度上昇しており、真夏日や猛暑日、熱帯夜は増える一方で、冬日(最低気温が0℃未満の日)は少なくなっています。また、一日に降る雨の量が100ミリ以上となる大雨の日数は、長期的に増えています。

 今年公表された、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書の政策決定者向け要約では、地球規模の気候の現状を「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。大気、海洋、雪氷圏及び生物圏において、広範囲かつ急速な変化が現れている」としています。

 日本においても、さくらの開花が早まる、かえでの紅葉日が遅くなるといった生物季節への影響や、平成30年(2018年)7月豪雨(いわゆる西日本豪雨)及び7月中旬以降の記録的な高温令和2年(2020年)年7月豪雨(熊本県球磨川で甚大な被害)への影響が指摘される(異常気象分析検討会)など、地球温暖化の進行によるさまざまな影響が既に現れています。

 地球温暖化の影響を緩やかにするためには、化石燃料の消費を減らして二酸化炭素の排出量を削減する必要があります。クールビズ・ウォームビズによる冷暖房機にできるだけ頼らない過ごし方の工夫、冷暖房の温度を控えめに設定する、通勤や買い物の際にもバスや自転車を利用するなど、地球温暖化を緩やかにするために私たちにできる身近なことから取り組みましょう。

(2021年12月24日掲載)