熱中症から身を守りましょう

鹿児島地方気象台長 菅野

 こんにちは、鹿児島地方気象台長の菅野です。

 今年も熱中症が心配な季節がやってきました。
 熱中症とは、気温や湿度が高い環境で体温の調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。めまいや吐き気、頭痛、失神などの様々な症状がでることがあり、最悪の場合は死に至ることもあります。また、外にいるときだけでなく室内でも熱中症は起こりえます。

 気象庁と環境省は、「熱中症警戒アラート」について、4月26日から今年度の運用を開始しました
 熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高くなると予想される日の前日夕方または当日の早朝に発表します。熱中症は気温・湿度・輻射熱(日差し等)・風等からなる熱中症の危険性を示す指標「暑さ指数(WBGT)」を用いて発表の判断をします。この情報が発表された際は、熱中症への予防を普段以上に心がけましょう。

<熱中症警戒アラート発表状況>
https://www.jma.go.jp/bosai/information/heat.html

熱中症警戒アラート発表時の予防行動

  1. 外での運動は原則中止や延期をしましょう
  2. 外出はできるだけ控え、昼夜を問わずエアコン等を使用して部屋の温度を調整するなど暑さを避けましょう
  3. 高齢者・子ども・持病のある方など、熱中症のリスクが高い方に声かけを行いましよう
  4. のどが渇く前にこまめに水分補給を行うなど、普段以上に「熱中症予防行動」を実践しましょう

※ 屋外で作業を行う場合は必ず体調を確認し、暑い時間帯の作業を避けましょう。
※ 一定時間毎に休憩・水分補給を行い、汗をかいた時は塩分の補給も行いましょう。

 また、熱中症警戒アラートが発表されていない場合でも、周辺の環境、行動の内容、体調などによっては熱中症を引き起こす可能性があります。熱中症の危険性を示す指標である暑さ指数を確認して行動の目安にしましょう。
 暑さ指数は、環境省熱中症予防情報サイトで確認することができます。
 
<環境省 熱中症予防情報サイト:暑さ指数(WBGT)の実況と予測>
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_data.php

 これから夏にかけて気温と同時に湿度も上昇していきます。特に体がまだ高い気温に慣れていない5月、6月は体温の調整がうまくいかず、予期せず熱中症になりやすい時期とも言えます。気象台から発表される情報などを有効に活用し、熱中症への予防対策を行いましょう。

<気象庁HP:熱中症から身を守るために>
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/netsu.html


(2023年5月16日掲載)