緊急地震速報について

鹿児島地方気象台長 菅野

鹿児島地方気象台長の菅野です。

1月1日に発生いたしました「令和6年能登半島地震」により、犠牲になられた方々に対して衷心より哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に対して心よりお見舞い申し上げます。

鹿児島県では、今から110年前の大正3年(1914年)に、「桜島大正噴火」にともなう直下型の大地震が発生して、強い揺れにより大きな被害が発生したことがあります。また、将来の発生が心配されている「南海トラフ地震」では、強い揺れや高い津波などにより大きな被害が想定されています。

地震は一般の気象災害とは異なり、事前に発生を予測することはできませんが、日頃からの備えを行うことで被害を軽減することは可能です。

気象庁が地震災害を軽減するために発表している情報の一つに緊急地震速報があります。
緊急地震速報は、地震の発生直後に震源に近い地震計で捉えた地震の波を素早く解析し、強い揺れの到達時刻や震度を予想して、可能な限り素早くお知らせする情報です(※)。

緊急地震速報はテレビやラジオ、携帯端末の緊急速報メール(エリアメール)、防災行政無線などでお知らせします。
緊急地震速報の発表を見たり聞いたりしてから地震の強い揺れが来るまでの時間は数秒から数十秒しかありません。その間に、状況にあわせて素早く身を守る行動を取ることで、大切な命を守ることができます。

<緊急地震速報の報知音を聞いたら>

  • 家庭では、頭部を保護し、丈夫な机の下など安全な場所に避難。あわてて外へとびださない。無理に火を消そうとしない。
  • 屋外(街中)では、ブロック塀などの倒壊に注意。看板や割れたガラスの落下に注意。
  • エレベーターでは、最寄りの階に停止させ、すぐに降りる。
  • 電車・バスでは、つり革・手すりにしっかりつかまる。

状況に応じた行動については、気象庁ホームページ気象庁発行のリーフレットもご覧ください。
みなさんが緊急地震速報の報知音を見聞きするのは数年に1回程度です。報知音に驚いて、あわてて怪我をしないよう、落ち着いて行動できるよう自治体などが行う訓練には積極的に参加し、いざという時に備えましょう。

※緊急地震速報は、最大震度が5弱以上または長周期地震動階級3以上と予想された場合に、震度4以上や長周期地震動階級3以上が予想される地域に対して発表します。
 緊急地震速報には震源に近い所では強い揺れの到達に速報の発表が間に合わないなどの、技術的な限界や特性があります。

❏写真で紹介しているリーフレット・パンフレット

(2024年1月12日掲載)