緊急地震速報について

鹿児島地方気象台長 瀧下


 こんにちは、鹿児島地方気象台長の瀧下です。

 地震は一般の気象災害とは異なり、事前に発生を予測することはできませんが、日ごろからの備えなどによって被害を軽減することは可能です。

 気象庁が地震災害を軽減するために発表している情報の一つに緊急地震速報があります。緊急地震速報とは、地震の発生直後に震源に近い地震計で捉えた地震の波を素早く解析し、強い揺れの到達時刻や震度を予想して、可能な限り素早くお知らせする情報です(※)。

 緊急地震速報はテレビやラジオ、携帯端末のエリアメール、防災行政無線などでお知らせします。緊急地震速報の発表を見たり聞いたりしてから地震の強い揺れが来るまでの時間は数秒から数十秒しかありません。その間に、状況にあわせて素早く身を守る行動を取ることで、大切な命を守ることができます。
 状況に応じた行動については、気象庁ホームページや気象庁発行のリーフレットをご覧ください。
 
 普段できない事は、いざという時にもできません。緊急地震速報が発表されたときに慌てず行動するために、自治体などが行う訓練には積極的に参加しましょう。

 今年は11月5日に緊急地震速報の全国的な訓練が行われます。訓練に参加する自治体の防災行政無線や、一部の商業施設などで訓練用の緊急地震速報が流れますので、緊急地震速報を見聞きしたら、安全な場所に移動するなど身を守るための行動をとってみてはいかがでしょうか。

※緊急地震速報には震源に近い所では強い揺れの到達に速報の発表が間に合わないなどの、技術的な限界や特性があります。ご利用にあたってはこの点にご注意ください。

(2021年10月5日掲載)