台風への備えについて

鹿児島地方気象台長 瀧下


 こんにちは、鹿児島地方気象台長の瀧下です。

 これから9月をピークに10月にかけて台風シーズンになります。
 台風は、非常に発達した積乱雲が集まった巨大な渦巻きで、最大風速がおよそ17m/s以上のものをいいます。広い範囲で暴風、大雨、高波、高潮などによる大きな災害をもたらします。台風がまだ遠い場所にあっても、台風周辺の強い風によって発生した波がうねりとなって伝わってきます。うねりは、水深の浅い海岸付近(防波堤、磯、浜辺など)で急激に高波となるため、波にさらわれる事故も起こりやすく注意が必要です。

 また、夏から秋にかけては潮位が高くなるシーズンです。台風に伴う強い風が沖から海岸に向かうと「吹き寄せ効果」で海面が上昇します。また、台風の接近により気圧が低くなると「吸い上げ効果」により海面が持ち上がり、高潮の危険性が高まります。特に大潮期間中の満潮時と台風の接近が重なった場合はさらに潮位が高くなります。台風経路図全般台風情報では台風・熱帯低気圧の位置や強さなどを予測し、防災上の注意警戒を呼び掛けていますのでご利用ください。

 台風が近づいてからの避難は、暴風や大雨などにより、難しくなります。
 気象台が発表する気象情報気象警報・注意報台風情報など、最新の防災気象情報を活用して、早い段階から避難行動の検討をお願いします。

 ご自分の命、ご家族など大切な人の命を守るという意識を持って、台風への備えをお願いします。

(2021年9月7日掲載)