【コラム】梅雨の降水量

梅雨前後の旬毎の降水量(1981~2010年の30年平均値)

図1 梅雨前後の旬毎の降水量(1981~2010年の30年平均値)

奄美地方

 梅雨入り(5月11日頃)となる5月中旬から降水量が増え始めます。6月中旬がピークとなり、この時期が奄美地方の梅雨本番です。梅雨明け(6月29日頃)となる6月下旬から7月上旬にかけては太平洋高気圧に覆われて降水量は急激に減少します。夏本番となる7月下旬から8月にかけての降水量がやや多くなりますが、これはにわか雨や台風による降水の影響が現れています。

九州南部

 梅雨入り(5月31日頃)となる5月下旬から降水量が増え始め、6月中旬から6月下旬にかけて顕著に多くなります。梅雨明け(7月14日頃)前の7月上旬から降水量が減り始めますが、これは年毎の梅雨明け日の幅が広いためです。宮崎も梅雨明け後は太平洋高気圧に覆われて晴れの日が多くなりますが、東よりの湿った気流の影響を受けやすく降水量がやや多くなります。

九州南部の梅雨の降水量

6月の降水量平年値

図2 6月の降水量平年値(1981~2010年の30年平均値)

7月の降水量平年値

図3 7月の降水量平年値(1981~2010年の30年平均値)

 6~7月の降水量は九州が最も多くなり、山沿いを中心に月降水量300mm以上の地点が多くなります(図2、図3)。また、1時間に数十mmの雨が降り、短時間強雨もたびたび発生し、災害をもたらす大雨も発生しています。特に気温が高く、水蒸気量が多くなる7月に多く発生しています(表1)。

期日 死者・行方不明者(人) 概要
1993年7月31日~8月6日 79人 鹿児島市内の甲突川が氾濫、がけ崩れも多数発生
1997年7月6日~7月13日 21人 鹿児島県の出水市針原地区で土石流が発生
2006年7月18日~7月23日 5人 鹿児島県で河川氾濫や土砂災害により死者5名
2010年7月2日~7月4日 3人 鹿児島県でがけ崩れが多数あり死者2名

表1 九州南部の梅雨前線による主な災害(1990年~2013年)