新潟地震


はじめに

2024年は新潟地震から60年!

 1964年(昭和39年)6月16日、新潟県下越沖を震源とするマグニチュード(M)7.5の大地震が発生し、強い揺れとともに、津波が襲いました。
 この地震による被害は新潟・山形県を中心として9県に及びました。特に住家全壊は新潟市、村上市、山形県の酒田市、鶴岡市等で多数ありました。
 2024年は、新潟地震から60年の節目の年です。
 過去の災害を振り返り、地震への備えを改めて確認していただくために、このページをご活用ください。
    上の写真をクリックすると被害状況の写真のページが開きます。

概要

震央 新潟県下越沖
北緯  38度22.2分
東経 139度12.7分
深さ 34km
マグニチュード 7.5
 1964年(昭和39年)6月16日(火)13時01分、新潟県下越沖を震源とするマグニチュード(M)7.5の大地震が発生しました。
 この地震により、新潟県、山形県、宮城県、福島県で震度5を観測したほか、北海道から四国地方にかけての広い範囲で震度を観測しました。
 また、津波が発生し、日本海沿岸全般に影響を及ぼしました。各地の津波の高さは震源に最も近い新潟県府屋で、津波がない状態の海面の高さから5.4mで、最大の値でした。 この付近一帯の沿岸では、津波の高さは3~4mに達し、岩船などで被害が生じました。秋田県男鹿半島から石川県能登半島までの沿岸では、全般的に1~2mでしたが、湾や複雑な海岸ではさらに増大しました。すなわち、佐渡両津湾では約3m、船川港では2~3m、七尾湾では約2mとなり、いずれも若干の被害を生じました。
 被害は、死者26人、建物全壊1,960棟、建物半壊6,640棟、床上・床下浸水15,297棟に及びました。(県別の被害の一覧
 気象庁はこの地震を「新潟地震」と命名しました。


  • 本震の震度分布図
    全国の震度分布図は、図をクリックして下さい(気象庁震度データベースを閲覧)。


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  • 上の写真をクリックすると、拡大して開きます。

地震の被害の特徴など

 新潟地震による被害には、津波、火災、液状化による被害、道路の沈下や破損などがあります。
 まず、この地震の特徴として、新潟市や酒田市等の低湿地帯から砂と水を噴き出す「液状化現象」があります。液状化により、新潟市川岸町の鉄筋コンクリート4階建のアパートがそのまま傾いて倒れました。また、新潟市内では鉄筋コンクリートの建物の多くが傾いたり沈んだりしました。さらに、竣工間もない昭和大橋の橋桁が落ちた他、道路の沈下や亀裂等の破損が多数ありました。その他港や飛行場、河川の堤防等も被害がありました。震源に近い粟島は約1m隆起するという被害もありました。
 次に、津波に関する被害として、地震の約15分後位から津波が日本海沿岸各地を襲い、新潟市でも信濃川沿いなどの低地帯で浸水したほか、島根県隠岐島でも水田が冠水しました。
 また、新潟市での火災は数件発生したのみでしたが、昭和石油の石油タンクが地震により引火し、鎮火まで約2週間を要しました。
 このように、新潟地震では、津波による被害、液状化による宅地地盤、道路、建物、橋梁等の構造物、堤防、鉄道などの被害が顕著であり、各種被害調査記録が残されています。このうち(1964年当時の)新潟市街部を中心とした地域の液状化、建物被害、浸水被害の状況は、新潟地震地盤災害図として取りまとめられていますので、ここに掲載します。この災害図は、都市域の被災状況を詳細に記録した初めての都市災害記録図であるとともに、今後の地震時の液状化(再液状化)しやすい地盤を示した災害予測図となっています。

被害写真

落下した昭和大橋(右岸東側から)
気象台付近から八千代橋方向を望む
気象台付近の信濃川を遡る津波
 

より多くの写真はこちらに掲載しております。

 被害状況の写真一覧
 また、県別の被害一覧はこちらからご覧ください。

関連リンク

  • 地震から身を守るために 気象庁HP(地震編
  • 地震発生のしくみ 気象庁HP(地震編
  • 津波から身を守るために 気象庁HP(津波編
  • 津波発生と伝播のしくみ 気象庁HP(津波編
  • 液状化しやすさマップ 国土交通省北陸地方整備局HP(新潟県内
  • 津波浸水想定図(平成29年度版) 新潟県HP(津波浸水想定図

参考資料・出典

  • 気象庁技術報告第43号 昭和39年6月16日新潟地震調査報告
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