岡山地方気象台長のご挨拶

台長の写真

岡山地方気象台のホームページをご利用いただきありがとうございます。引き続き、当地の気象台長を務めさせていただきます菅野(かんの)です。

 

昨年8月の台風第7号では岡山県でも線状降水帯が発生し、特に鏡野町恩原では日降水量の記録を2倍近く更新する大雨となりました。

気象庁では現在、豪雨予測情報の高度化を最重要課題として進めていますが、道半ばです。予測の不確実さ、見通しの変更等については、自治体など関係者の皆さんとの連携を密にすることでカバーしていくほかないと考えます。

 

気象台では昨年から、避難に配慮を要する皆さん(高齢者やハンディキャップのある方々、療養中の方々など)への気象情報伝達の強化、地域の災害特性を踏まえた警報等の基準の見直し、各河川流域の災害特性に特化した気象資料の提供等に取り組んでおり、本年はこれらをさらに進めていきたいと思います。

 

本年元日の令和6年能登半島地震では、地震の怖さをまたも見せつけられました。現在の科学では地震発生の具体的な予知は不可能ですが、南海トラフ地震については次の発生の切迫性が確実に高まっています。家具の固定や備蓄品などの準備、地域の危険度と避難経路の把握、家族の安否確認方法と集合場所等の確認を今すぐにお願いします。

 

科学的な技術やデータとともに、地域の皆さんの経験・知見(地域知)も重要です。これまで以上に、関係機関、自治体、そして地域の住民の皆さんと一体となって、職員一同取り組んで参りたいと思います。


令和6年 4月

岡山地方気象台長

菅野 能明(かんの よしあき)