北海道地方の気温の将来予測

概要

  • 北海道地方では、2℃上昇シナリオ、4℃上昇シナリオのいずれにおいても、気温が有意に上昇する。20世紀末と比較して、2℃上昇シナリオでは約1.6℃、4℃上昇シナリオでは約5.0℃、年平均気温が上昇する。
  • 地域別ではオホーツク海側の気温の上昇が大きく、季節別では冬の気温の上昇が大きい。
  • 気温の上昇に伴い、真夏日の有意な増加と真冬日の有意な減少が予測されている。

北海道地方の平均気温の将来変化

北海道地方の平均気温の変化(RCP2.6) 2℃上昇シナリオによる北海道の年平均気温の将来変化(℃)
20世紀末(1980~1999年平均)を基準とした21世紀末(2076~2095年平均)における将来変化を示す。
北海道地方の平均気温の変化(RCP8.5) 4℃上昇シナリオによる北海道の年平均気温の将来変化(℃)
20世紀末(1980~1999年平均)を基準とした21世紀末(2076~2095年平均)における将来変化を示す。
2℃上昇シナリオ
北海道地方 1.6±0.5 1.4±0.8 1.4±0.8 1.4±0.7 2.1±1.0
日本海側 1.5±0.5 1.2±0.8 1.4±0.8 1.5±0.7 1.9±0.9
オホーツク海側 1.7±0.5 1.4±0.9 1.4±0.9 1.4±0.7 2.4±1.0
太平洋側 1.6±0.5 1.4±0.7 1.4±0.8 1.4±0.6 2.1±1.0
2℃上昇シナリオによる北海道の年平均気温及び季節平均気温の将来変化(平均値及び年々変動の幅の値)(℃)
20世紀末(1980~1999年平均)と21世紀末(2076~2095年平均)の差(将来変化量)を「将来変化量±21世紀末における年々変動の幅」で示し、信頼水準90%で有意に変化する場合は赤字としている。
4℃上昇シナリオ
北海道地方 5.0±0.7 4.5±1.0 4.6±0.8 5.2±0.8 5.7±1.2
日本海側 4.9±0.7 4.4±1.0 4.6±0.7 5.2±0.8 5.4±1.2
オホーツク海側 5.2±0.7 4.8±1.1 4.8±0.9 5.3±0.8 5.9±1.1
太平洋側 5.0±0.7 4.6±0.9 4.6±0.8 5.1±0.8 5.8±1.2
4℃上昇シナリオによる北海道の年平均気温及び季節平均気温の将来変化(平均値及び年々変動の幅の値)(℃)
20世紀末(1980~1999年平均)と21世紀末(2076~2095年平均)の差(将来変化量)を「将来変化量±21世紀末における年々変動の幅」で示し、信頼水準90%で有意に変化する場合は赤字としている。

北海道の夏日・真夏日の年間日数の将来変化

2℃上昇シナリオ 夏日 真夏日
北海道地方 13.0±7.8 2.7±2.6
日本海側 14.3±8.3 3.0±3.0
オホーツク海側 9.7±8.3 2.4±2.8
太平洋側 12.6±8.1 2.4±2.6
2℃上昇シナリオによる北海道の夏日(日最高気温25℃以上)及び真夏日(日最高気温30℃以上)の年間日数の将来変化(平均値及び年々変動の幅の値)
20世紀末(1980~1999年平均)と21世紀末(2076~2095年平均)の差(将来変化量)を「将来変化量±21世紀末における年々変動の幅」で示し、信頼水準90%で有意に変化する場合は赤字としている。
4℃上昇シナリオ 夏日 真夏日
北海道地方 52.3±7.8 21.0±7.2
日本海側 54.8±8.5 24.0±8.0
オホーツク海側 44.9±9.8 16.2±6.9
太平洋側 52.1±9.5 19.2±7.2
4℃上昇シナリオによる北海道の夏日(日最高気温25℃以上)及び真夏日(日最高気温30℃以上)の年間日数の将来変化(平均値及び年々変動の幅の値)
20世紀末(1980~1999年平均)と21世紀末(2076~2095年平均)の差(将来変化量)を「将来変化量±21世紀末における年々変動の幅」で示し、信頼水準90%で有意に変化する場合は赤字としている。

北海道の冬日・真冬日の年間日数の将来変化

2℃上昇シナリオ 冬日 真冬日
北海道地方 -16.1±6.9 -19.7±9.6
日本海側 -16.5±7.3 -18.7±10.0
オホーツク海側 -16.2±7.4 -21.6±11.3
太平洋側 -15.6±6.7 -20.2±9.0
2℃上昇シナリオによる北海道の冬日(日最低気温0℃未満)及び真冬日(日最高気温0℃未満)の年間日数の将来変化(平均値及び年々変動の幅の値)
20世紀末(1980~1999年平均)と21世紀末(2076~2095年平均)の差(将来変化量)を「将来変化量±21世紀末における年々変動の幅」で示し、信頼水準90%で有意に変化する場合は赤字としている。
4℃上昇シナリオ 冬日 真冬日
北海道地方 -58.3±12.4 -51.4±7.1
日本海側 -60.1±13.3 -51.3±8.7
オホーツク海側 -56.6±11.7 -61.6±8.4
太平洋側 -56.8±12.0 -47.8±4.9
4℃上昇シナリオによる北海道の冬日(日最低気温0℃未満)及び真冬日(日最高気温0℃未満)の年間日数の将来変化(平均値及び年々変動の幅の値)
20世紀末(1980~1999年平均)と21世紀末(2076~2095年平均)の差(将来変化量)を「将来変化量±21世紀末における年々変動の幅」で示し、信頼水準90%で有意に変化する場合は赤字としている。

解説

冬の気温の上昇が大きい理由として、海氷や積雪の融解・減少等によりさらに気温が上昇する効果が、より影響の受けやすい冬に現れているものと考えられる。
オホーツク海側は海氷の融解の影響をより強く受けるため、他の地方と比べて気温の上昇が大きい。