長周期地震動

長周期地震動とは

 大きな地震で生じる、周期(揺れが1往復するのにかかる時間)が長い大きな揺れのことを長周期地震動といいます。 長周期地震動により、高層ビルは大きく長時間揺れ続けることがあります。 また、長周期地震動は遠くまで伝わりやすい性質があり、地震が発生した場所から数百kmはなれたところでも大きく長く揺れることがあります。 長周期地震動による大きな揺れにより、家具類が倒れたり・落ちたりする危険に加え、大きく移動したりする危険があります。
 今後発生が予想されている日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震等が発生した場合でも、長周期地震動による被害のおそれがあります。
 気象庁では、令和5年2月1日より、発表基準に長周期地震動階級の予想値を追加して提供することとし、長周期地震動階級3以上を予想した場合でも、緊急地震速報(警報)を発表します。

長周期地震動のポスター

普及啓発用ポスター
(作成:札幌管区気象台・札幌市)

長周期地震動普及啓発用動画(YouTube)
(作成:札幌管区気象台・札幌市)



長周期地震動に関する基礎知識

 長周期地震動による高層ビルの揺れ方や、長周期地震動の特徴など基礎的な知識をまとめています。また、過去の被害事例などについて掲載しています。

長周期地震動に関する情報

 気象庁では、地震発生後直ちに震度情報を発表していますが、震度は地表面付近の比較的短い揺れを対象とした指標で、高層ビル高層階の揺れの程度を表現するのに十分ではありません。このため、高層ビル内での的確な防災対応に資することを目的に、概ね14、15階建以上の高層ビルを対象として、長周期地震動に関する情報を提供することとしました。


長周期地震動階級

 気象庁では、地震時の人の行動の困難さの程度や、家具や什器の移動・転倒などの被害の程度を基に長周期地震動による揺れの大きさを4つの階級に区分した長周期地震動階級という指標を新たに導入しました。

長周期地震動階級表
長周期地震動階級


長周期地震動に関する観測情報

 気象庁では、長周期地震動階級を用いて、長周期地震動により高層ビル高層階で生じたと見られる揺れの大きさの程度や被害の発生可能性等についてお知らせする長周期地震動に関する観測情報を発表しています。
 長周期地震動に関する観測情報は、施設管理者や低層階の防災センター等が高層階における被害の発生可能性等を認識し、防災対応を行うための判断支援に利用していただくことを想定しています。また、高層階の住民の方々が、震度とは異なる揺れであったことを認識していただくことを想定しています。



長周期地震動への備え

 屋内における家具や什器などの転倒・落下による負傷や避難障害の発生を防ぐために、家具や什器などの転倒等防止対策が非常に大切です。
 また、どこにいても、揺れを感じたり、緊急地震速報を見聞きしたりしたら、まず身の安全を図りましょう。