3.気圧を測るための器械

 私たちをとりまく大気の圧力を気圧といいます。プールなどの水の中に入ると水の圧力を感じますが、空気にもこれと同じものがあります。私たちは身近には気圧を感じませんが、気象を調べるには重要な要素です。

気圧計の歴史

気圧はイタリアの物理学者トリチェリが制作した水銀気圧計によって1643年に初めて観測されました。

 下の図はこの気圧計の簡単な原理図です。まず、水銀のたまったタライに、真空にしたガラス管を立てます。すると大気圧によって押された水銀がガラス管を上ってきて、やがて自分の重さと釣り合ったところで止まります。この水銀の上った高さで大気圧を測ります。この仕組みは現在も使われている水銀指示気圧計の元となりました。

 これまで気象庁では、フォルタン型と呼ばれる水銀指示気圧計を使っていましたが、現在は使用していません。

気圧計の簡単な原理図。

フォルタン型水銀指示気圧計。

電気式気圧計

 気象庁では日ごろの観測に、電気式気圧計を使用しています。

 これは気圧の変化を、中にあるセンサー部分の電気的な性質(静電容量:せいでんようりょう)の変化としてとらえ、測定しています。気圧の値は中央の液晶に数字で表示されるようになっていて、読み取りやすくなっています。

電気式気圧計