5.降水量を量るための器械

 降水量とは地面に降った雨、雪、あられ等のことです。雪やあられ等は溶かして水に換算して量ります。気象庁では転倒ます型雨量計という測器を用いて量っています。

転倒ます型雨量計

 雨量計(写真左下)はまず直径20cmの円形状の受水口で降水をとらえます。受水口は「ろうと」のようになっていて、降水は中央の転倒ますに貯められます。0.5ミリ相当の降水量に達するとその重さで転倒ますは倒れます。転倒ますは左右についていて、降ってきた降水をもらさず受けることが出来るようになっています。この転倒した回数で降水量を量る仕組みになっているのです。たとえば、1時間に10ミリの雨が降った場合、転倒ますは左右に交互に20回転倒したことになります。右下の雨量計は温水式雨量計と呼ばれるもので、雨量計のカバーの周りをさらに不凍液の槽で覆ったもので、雪等を溶かすことができるようになっています。さらに助炭(じょたん)と呼ばれる風よけがついています。

雨量計

温水式雨量計

感雨器

 降水に関係する測器には、前に挙げた転倒ます型雨量計のほかに、感雨器という測器があります。これは降水現象(雨や雪等)の始まりと終わりを知るためのものです。感雨器は、その測定面に雨や雪が着くことにより、降水現象を感知します。これは、測定面に付着した水分によって電気が流れることを利用しています。この器械では、鳥のフン等が落ちても降水ありと判別するので、そのようなことを防ぐため、鳥よけの細い針金が付いています。

感雨器

積雪計

 積雪とは降り積もった雪の深さのことです。以前は雪尺(ゆきじゃく)という物差しを観測露場に設置して、積もった雪の深さを目で見てはかっていました。現在では超音波式積雪計やレーザ式積雪計といった測定機器で自動的に観測しています。超音波式積雪計は積雪面に当てて反射してきた音の時間差、レーザ式積雪計は反射光の波のズレから雪の深さを測っています。

超音波式積雪計

レーザ式積雪計