春先に初めて吹く、南よりの強い風を「春一番」といい、全国的に大荒れとなり春の嵐とも呼ばれます。
気象庁の定義では、「立春から春分までの間に広い範囲(地方予報区くらい)で初めて吹く、暖かく(やや)強い南よりの風」としていますが、その「春一番」の発表目安基準は、地域の特性によって多少異なっています。
- 「山口県を含む九州北部地方」では、
- 風(ESE~WSW 7m/s)
- 気温(前日より昇温)
- の二つを目安として運用しています。
すでに気象の用語となっている「春一番」ですが、その語源については、石川県能登地方や三重県志摩地方から西の各地で昔から使われていたなどさまざまです。
その中で、長崎県郷ノ浦では、安政6年(1859年)旧暦2月13日(新暦3月17日)に長崎県五島沖に出漁した漁師53人が、春の強い突風で全員が遭難しました。
このときから郷ノ浦では、春の初めの強い南風を「春一」または「春一番」と呼ぶようになったそうです。
春一番という明るい言葉とは裏腹に、春の低気圧は急速に発達しやすく、太平洋側では強風、 日本海側ではフェーン現象により気温が上がり空気が乾燥するため強風や火災、積雪地帯ではなだれや融雪による洪水に警戒が必要です。