気象台の観測施設・観測機器、観測方法について

高松地方気象台にある観測施設・観測機器、観測方法について紹介します。

地上気象観測施設

一般的な気象情報に用いる観測データは地上気象観測で行われます。気温・湿度、降水量は、周囲の影響を受けないように芝生を植えてある露場(ろじょう)と呼ばれる特別な敷地内で観測します。冬季には、降雪や積雪、霜、氷などもここで観測します。

詳しくは、地上気象観測JMAをご覧ください。

露場の全景

【高松地方気象台の露場写真】

地上気象観測装置(観測測器)の紹介

ふうこうふうそくけい

にっしょうけい

ぜんてんにっしゃけい

うりょうけい

つうふうとう

せきせつけい

かんうき

きあつけい

していけい

各観測装置から送られる電気信号を観測データとして処理しています。

  • 風向風速計(ふうこうふうそくけい)

    風向風速計は風の強さと風の向きを観測しています。

    常に風上に向かって方向を変える構造をしており、風向を観測するとともに、先端のプロペラの回転速度で風速を観測しています。周辺の建物や樹木の影響を受けないよう、測風搭と呼ばれる搭の上に設置しています。

  • 日照計(にっしょうけい)

    日照計は日の照っている時間を観測しています。

    回転する反射鏡を用いて日照あり、なしの判定をしています。日照時間は日光の当たっていた時間を合計したものです。

  • 全天日射計(ぜんてんにっしゃけい)

    全天日射計は日射の量を観測しています。

    水平面に入る太陽からの日射と大気や雲に散乱された日射の量を受感部中心部と周辺部の温度差により測定しています。

  • 雨量計(うりょうけい)

    雨量計は雨の量を観測しています。

    直径20センチの筒状の中には、0.5ミリの雨が溜まると転倒するシーソーのような構造をしたマスが入っており、1回転倒する度に0.5ミリ単位で降水量が加算されます。

  • 感雨器(かんうき)

    感雨器は雨や雪が降っているかどうかを観測します。

    検出部に雨滴が落ちると電極間の短絡を検知し、降水ありと判定します。雨量計で観測できないような弱い雨も観測できます。

  • 通風筒(つうふうとう)

    通風筒は中に気温と湿度を観測する装置が入っています。

    1.5メートルの高さにあり、直射日光を防ぎ、熱がこもらないように常にファンで風を取り入れています。テレビやラジオなどで放送される高松の気温はここで観測したものです。

  • 積雪計(せきせつけい)

    積雪計は積もった雪の深さを観測します。

    感部から発射するレーザ光が、雪面で反射して感部に戻るまでの位相差を計測し、その計測値より感部から積雪面までの距離を求めます。積雪の深さとは自然に降り積もって地面をおおっている雪などの固形降水の深さを言います。

  • 気圧計(きあつけい)

    気圧計は大気圧を観測しています。

    大気圧が上昇や下降すると、内部の電極間の静電容量が変化することで測定しています。

  • 視程計(していけい)

    視程計は見通しの効く距離(視程)を観測しています。

    光を出す投光部とそれを受ける受光部を配置して、投光した光が大気で減衰又は散乱される量を測ることによって視程を測定しています。

ウィンドプロファイラ観測局

気象庁では、局地的な豪雨などをもたらす気象現象の監視・予報業務の強化のため、「局地的気象監視システム」(略称:ウィンダス・WINDAS:WIndprofiler Network and Data Acquisition System)を整備しています。高松はウィンドプロファイラ観測局となっており、気象台に観測装置が設置されています。この装置は、レーダーの一種であり、上空の風(風向・風速)を電波で連続的に観測しています。


従来から、香川県の近くでも松江や潮岬などで上空の気象観測をおこなっています。これらの地点では、ゾンデと呼ばれる観測機器を吊り下げた気球で、風のほか気温や湿度、気圧の観測を行っています。これらの観測に加え、「局地的気象監視システム」により、きめの細かい大気の流れを把握できるようになりました。このシステムの観測装置は、四国では高松、清水、高知に設置してあります。

局地的気象監視システムのアンテナ

写真は高松地方気象台の観測装置で、平面的なアンテナから上空に向けて電波を発射しています。観測したデータは気象庁本庁に集められ処理されます。

詳しくはウィンドプロファイラについてJMAをご覧ください。

計測震度計

昔は地震が発生すると、職員が体感により震度を観測していましたが、平成8(1996)年4月からは全面的に震度計で観測するようになりました。下の写真は高松地方気象台に設置している計測震度計です。写真(左)の黒い箱の中に、実際にゆれを観測する装置が入っており、周辺物や地盤の影響を受けないよう頑丈なコンクリート製の土台に設置されています。震度を観測すると写真(右)の装置に震度が表示されるとともに、気象庁本庁や大阪管区気象台のシステムへ送信されます。香川県内にはこのような気象庁の震度計を高松地方気象台のほか6地点に設置していす。

なお、気象庁以外にも地方自治体(香川県)や防災科学技術研究所の震度データも気象庁本庁や大阪管区気象台に集められ地震の情報に役立てています。

計測震度計

【計測震度計】

計測震度計の画面

【計測震度計の画面】