新婚の朝

mizuguti

麦畑 (この畝に海水が溜まっていた)


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体験談を表現した地図

当時住所:三岐田町東由岐(現:美波町)

 当時20歳で、12月に地震に遭った。結婚して1週間の新婚だった。

 漁師の「津波がきょるゾー」の大きな声を聞いて逃げた。 妻と着の身着のままの姿で裏山に逃げた。

 両親、弟、妹に声をかけずに夫婦ふたりで先に逃げた。

 裏山に1時間ぐらい居た。津波の気配がないので下りてくると、麦畑の畝に水が入っていた。

 舐めてみると、塩辛かったので、津波がココまで入ってきていたことを知った。

 父親が、町内の色々な役員をしており、東由岐を見てこいと言われたので、見に行った。

 12隻の内1隻の船が防潮堤に座っていた。

 こんだけ潮がきたんやと思った。

 浜を畳などが埋め尽くしていた。

 いまのように、水洗トイレなどなかったので味噌も糞もなく一緒になっていた。

 倒壊している家はなかった。

 この辺の5軒の農家で、 朝ご飯も食べていない人もいるだろうからとおむすびを作って5軒で協力してまわって配った。

 「ありがとう、ありがとう」と涙を流して喜んでくれる人もいた。

 いかがよく釣れる時は、大きな津波がある。

 天神社の15段目まで逃げたら、10段目まで波が来た。

 もちの木につかまったので助かった。

 教訓として

  • 飲み物、照明、携帯電話、連絡、津波が来るゾのひとこと、ふたこと声を掛け合う。
  • 避難場所、避難道路を確認しておくことが大切です。

 それと昭和19年の東南海地震の時の津波や昭和35年のチリ津波も経験しています。