当時20歳で、12月に地震に遭った。結婚して1週間の新婚だった。
漁師の「津波がきょるゾー」の大きな声を聞いて逃げた。 妻と着の身着のままの姿で裏山に逃げた。
両親、弟、妹に声をかけずに夫婦ふたりで先に逃げた。
裏山に1時間ぐらい居た。津波の気配がないので下りてくると、麦畑の畝に水が入っていた。
舐めてみると、塩辛かったので、津波がココまで入ってきていたことを知った。
父親が、町内の色々な役員をしており、東由岐を見てこいと言われたので、見に行った。
12隻の内1隻の船が防潮堤に座っていた。
こんだけ潮がきたんやと思った。
浜を畳などが埋め尽くしていた。
いまのように、水洗トイレなどなかったので味噌も糞もなく一緒になっていた。
倒壊している家はなかった。
この辺の5軒の農家で、 朝ご飯も食べていない人もいるだろうからとおむすびを作って5軒で協力してまわって配った。
「ありがとう、ありがとう」と涙を流して喜んでくれる人もいた。
いかがよく釣れる時は、大きな津波がある。
天神社の15段目まで逃げたら、10段目まで波が来た。
もちの木につかまったので助かった。