【コラム3】秋雨前線と台風による大雨―2006年9月の事例―

 九州北部付近に秋雨前線が停滞し、南海上から台風が北上して来る時には、秋雨前線に向って南から暖かく湿った空気が流れ込み、前線活動が活発化し大雨となることがあります。
 図8-1は2006年9月16日午前9時の天気図です。秋雨前線が対馬海峡付近から東に伸びて、台風第13号が台湾の東を北上しています。図8-2は同年9月16日の九州北部地方の日降水量の分布図です。南からの暖かく湿った気流の影響で秋雨前線が活発化し、佐賀県北西部を中心に大雨が降りました。佐賀県の伊万里では1日の降水量285mm、1時間の降水量99mmなど記録的な大雨になりました。
 このように、台風から離れた地域でも、秋雨前線が活発化して大雨になり、土砂災害や洪水害など甚大な災害が発生する恐れがありますので、十分な注意が必要です。

図8-1
図8-1 2006年9月16日09時の地上天気図
図8-2
図8-2 九州北部地方の日降水量分布図(2006年9月16日)

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