7月8日から10日にかけて、梅雨前線が朝鮮半島南岸から対馬海峡に停滞し、太平洋高気圧の周辺から前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、九州では大気の状態が非常に不安定となった。特に9日夜遅くから10日昼前にかけては大雨となり、薩摩地方を中心に記録的な大雨となった。
8日から10日にかけて薩摩地方、大隅地方を中心に断続的に雨が降った。9日夜遅くから10日昼前にかけては、局地的に猛烈な雨や非常に激しい雨が降ったことから、10日03時29分と07時39分に線状降水帯の発生をお知らせする「顕著な大雨に関する鹿児島県(奄美地方を除く)気象情報」を発表した。また、10日05時30分に出水市、伊佐市、薩摩川内市、さつま町に大雨特別警報(浸水害・土砂災害)を発表し、06時15分には湧水町にも大雨特別警報(浸水害)を発表し、同日14時32分にすべての大雨特別警報を警報に切り替えた。8日から10日の3日間の降水量は、さつま柏原(さつま町)で553.5ミリ、紫尾山(さつま町)で553.0ミリを観測し、7月の月降水量(平年値)に匹敵する大雨が降った。さつま柏原(さつま町)では、24時間降水量で473.0ミリ、12時間で373.5ミリ、6時間で285.0ミリを観測し観測史上1位を更新した。八重山(薩摩川内市)で1時間に110.5ミリ、紫尾山(さつま町)で96.5ミリを観測し観測史上1位を更新した。また、さつま町付近では3時までの1時間に120ミリの雨を解析し、3時15分に記録的短時間大雨情報を発表した。