島根県に被害を及ぼす可能性のある地震を、「プレート境界の地震」「海洋プレート内の地震」「陸域の浅い地震」の3つのタイプ別に説明します。
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~津波編~
島根県で津波を観測した地震について
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震や近い将来に発生が予想されている南海トラフ地震など、太平洋側では昔から津波を伴う大きな地震が何度も発生しているのに比べると、「日本海側は大丈夫なのでは?」と思われがちです。
しかし、島根県及び日本海側でも津波を伴う地震が発生しており、それによる被害が生じています。また、島根県では揺れが発生していなくても、日本海側で発生した地震により津波の被害を受けることがあります。
◇明治以降に島根県で津波を観測した地震
「日本海における大規模地震に関する調査検討会」最終報告書[表1]より抜粋したもの
発生年月日 |
発生地域[地震名] |
マグニチュード |
津波被害 |
津波の高さ |
1872年3月14日 |
石見・出雲[浜田地震] |
7.1 |
なし |
潮位変動1~3m。 |
1964年6月16日 |
新潟県沖[新潟地震] |
7.5 |
あり |
最大約5m |
1983年5月26日 |
秋田県沖[日本海中部地震] |
7.7 |
あり |
峰浜村14m |
1993年7月12日 |
北海道南西沖[北海道南西沖地震] |
7.8 |
あり |
奥尻島30m |
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島根県(日本海側)の津波の特徴
2011年に発生した東北地方太平洋沖地震をきっかけに、津波防災を行う上で日本海側で起こりうる最大クラスの津波断層モデルの設定等を行うために「日本海における大規模地震に関する調査検討会」が設置され、
平成26年9月にはその最終報告書が公開されました。
ここではその調査結果を紹介します。
①地震の規模のわりに津波が高く、津波到達までの時間が早い
これらの地震はプレートの比較的浅い領域で発生するために、海底地形の変位量が大きくなって津波が高くなる傾向があります。また断層が沿岸に近いために津波が早く到達します。
②東北地方の日本海側で発生した津波が中国地方で高くなる場合がある
基本的に津波は震源に近い沿岸が高く、離れていくと津波も小さくなっていきます。ところが東北地方日本海側で津波が発生した場合、中国地方の沿岸で北陸や近畿地方よりも高い津波が観測されることがあります。
これは日本海の中央部から中国地方沿岸にかけて大和堆など
周辺より浅くなった地形があり、発生した津波がこの浅い地形に集まり伝搬するためです。実際に昭和58年(1983年)日本海中部地震や平成5年(1993年)北海道南西沖地震の時に
中国地方の沿岸で周辺よりも高い津波を観測しています。なお、平成5年(1993年)北海道南西沖地震による揺れは島根県では観測されていません。
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