和歌山地方気象台のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
8月22日にマリアナ諸島付近で発生した台風第10号は、29日8時頃に鹿児島県薩摩川内市付近に上陸後もゆっくりとした速度で九州、四国を横断し、紀伊半島の南の海上を通ったあと東海道沖で熱帯低気圧に変わりました。この台風や台風から変わった熱帯低気圧は動きが遅く、長い期間にわたって全国各地で影響が続きました。
また、毎年のように全国のどこかで大雨による災害が発生していますが、その大きな要因のひとつが「線状降水帯」による大雨です。昨年6月2日と9月21日に和歌山県において「線状降水帯」が発生し、紀北や紀中地域では記録的な大雨が降り、河川の氾濫や浸水などが起こりました。台風第10号でも、台風本体の雨雲のかかる地域や台風から遠く離れた地域でも線状降水帯が発生し、大雨による災害が起きています。
そして、日本において、地震はどこで起きてもおかしくありません。次の南海トラフ巨大地震発生の切迫性も高まってきています。8月8日19時15分に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が運用開始後、初めて発表されるなど、いざという時には直ちに避難できるよう、日頃から地震・津波への備えも重要です。
9月は台風の被害が多い時期でもあることから防災月間とされています。9月の防災月間を契機に、あらためて台風や大雨、地震、津波などに備え、ハザードマップ、避難場所などの確認、そして備蓄品、非常持ち出し品の準備や家具の固定、連絡手段の確認など、最優先でできる対策を行っていただきたいと思います。
気象庁ホームページに「災害から身を守る」というサイトを公開しています。自然災害から身を守るためのさまざまな情報を掲載していますのでぜひご活用ください。
<気象庁ホームページ「災害から身を守る」>
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令和6年9月9日
和歌山地方気象台長
山本 善弘