山形県の災害履歴

災害は忘れた頃にやってきます。今後の防災に役立てていただくために、過去の主な災害を掲載しています。

気象災害

1960年以降に、県内で大きな被害のあった主な気象災害(大雨・台風・大雪・竜巻など)は次の通りです。

発生日 要因・名称 気象状況と主な被害
1961.9.16 第2室戸台風 第2室戸台風(台風第18号)が16日に室戸岬付近に上陸、近畿地方を縦断し能登半島付近から日本海に出た。日本海沿岸を北北東に進み酒田沖90kmの海上を通過した。この台風により酒田では37.7m/sの西南西の最大風速を観測するなど、県内各地で暴風や強風となった。死者1名、負傷者81名、全半壊733棟、水稲や果樹の倒伏多数。
1967.8.28-29 羽越豪雨 東北地方に前線が停滞、小国町の総降水量は600mmに達し、置賜地方を中心とした河川氾濫が発生した。死者・行方不明者8名、負傷者137名、流出家屋192棟、床上床下浸水約14000棟、田畑多数冠水。
1967.12-1968.2 大雪 2月23日に新庄の最深積雪が232cmに達するなど県内各地で大雪となった。死者5名、負傷者12名、全半壊4棟、床上床下浸水5棟。
1969.8.7-8 大雨 東北地方に前線が停滞し、新庄の24時間降水量は211.5mmに達するなど庄内・最上地方を中心に大雨となり、最上川の中・下流で河川氾濫が発生した。死者2名、負傷者10名、全半壊22棟、流出家屋2棟、床上床下浸水約4000棟、田畑多数冠水。
1976.10.29-30 酒田大火 西高東低の気圧配置により29日は酒田で14.3m/sの西南西の最大風速、新庄で14.2m/sの西北西の最大風速を観測するなど、西寄りの強風が吹きやすい状況であった。この強風により酒田市で大規模な火災が発生した。死者1名、負傷者1003名、焼失家屋1774棟。
1978.6.25-27 大雨 東北地方南部に前線が停滞し、米沢の26日の日降水量が119mmに達するなど置賜地方を中心に大雨となった。床上床下浸水約600棟、田畑多数冠水。
1980.12-1981.2 昭和56年豪雪 強い冬型の気圧配置が続き、2月9日に小国の最深積雪が277cmに達するなど県内各地で大雪となった。死者13名、負傷者101名、全半壊3棟、床上床下浸水219棟。
1981.8.22-23 台風第15号 台風第15号が23日に房総半島に上陸した後、関東地方および東北地方を縦断した。この台風により山形では最低海面気圧968.7hPaや24時間降水量183.0mmを観測するなど、奥羽山系を中心に大雨となった。負傷者6名、半壊3棟、床上床下浸水212棟、河川氾濫や土砂崩れ多数。
1983.12-1984.4 昭和59年豪雪 12月中旬から3月にかけて冬型の気圧配置が続き、庄内地方では地吹雪が多発し、県内各地で大雪となった。低温による水道管凍結が多発したほか、4月にかけて低温が続き、多雪地で消雪の遅れや雪崩が多発した。新庄では2月6日に最高気温が-6.4℃となったのをはじめ、最高気温0℃未満の日数が55日に達するなど記録的な低温であった。死者17名、負傷者55名、床上床下浸水108棟。
1987.8.28-29 大雨 東北地方に前線が停滞し、鼠ケ関の29日の日降水量は262mmに達するなど庄内地方を中心に大雨となり、河川氾濫が発生した。負傷者4名、全半壊3棟、床上床下浸水386棟、田畑冠水や土砂崩れ多数。
1988.6.18 降雹 上空に強い寒気が入り大気の状態が不安定となったため積乱雲が発達し、雹による農作物の被害や落雷による停電があった。
2004.8.19-20 台風第15号 台風第15号は東シナ海から対馬付近を通り、強い勢力を維持したまま日本海を北東進した。この台風により飛島では34m/sの西南西の最大風速を観測するなど、庄内を中心に暴風や大しけとなった。死者1名、負傷者7名。暴風により水稲等に深刻な塩害が発生した。
2005.12.25 突風 前線を伴った低気圧が発達しながら日本海を東進し、寒冷前線が東北地方を通過した。そのため、大気の状態が不安定となり積乱雲が発達し、酒田市で藤田スケールF1の突風が発生した。この突風により列車の脱線事故やビニールハウス倒壊等の被害があった。死者5名、負傷者33名。
2008.8.14-15 大雨 低気圧が日本海から青森県付近をゆっくり東へ進み、低気圧からのびる前線が東北北部から日本海に停滞した。庄内地方から最上地方の比較的狭い範囲で雨雲が発達し、狩川の14日の日降水量は318.0mmに達するなど庄内地方を中心に大雨となった。床上床下浸水73棟、田畑多数冠水。
2019.10.11-13 令和元年東日本台風 令和元年東日本台風(台風第19号)が12日に伊豆半島に上陸し、関東地方を北東へ進み、13日に福島県から宮城県沖へと抜けた。この台風により24時間降水量が高畠で240.5mm、米沢で205.0mmに達するなど県内では置賜地方を中心に記録的な大雨となった。負傷者3名、全半壊8棟、床上床下浸水164棟、河川氾濫や法面崩落多数。
2020.7.26-29 令和2年7月豪雨 東北地方に前線が停滞し、荒沢の総降水量は267mmに達するなど県内の広い範囲で大雨となった。大雨の峠を越えた後、最上川中流で顕著な河川氾濫が発生した。負傷者1名、全半壊63棟、床上床下浸水705棟、田畑多数冠水。
2022.8.3-5 大雨 前線が東北地方をゆっくり南下し、前線上の低気圧が3日夕方にかけて東北地方を通過した。前線や低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となった影響で、山形県では置賜を中心に線状降水帯が発生するなど、非常に激しい雨が降り続き、記録的な大雨となった。山形地方気象台は、3日から4日にかけて置賜の7市町に、大雨特別警報を発表した。行方不明者1名。全半壊55棟、床上床下浸水696棟、土砂災害、橋梁崩落、道路冠水、農地流出、ため池決壊など被害が多数発生した。

なお、ここ数年の県内における主な気象災害は防災対応支援資料をご覧ください。


地震災害

県内で大きな被害のあった主な地震災害は次の通りです。

発生日 震央・名称 規模 主な被害
850.-.- 出羽 M7.0 国府の城柵が壊れ、圧死者多数。最上川の岸が崩壊、海水は国府から4kmまで迫った。
1804.7.10 象潟地震 M7.0 飽海、田川郡で被害。死者333名。倒壊家屋約5500棟。酒田では津波で浸水家屋約300棟。
1833.12.7 羽前・羽後・越後・佐渡 M7.5 沿岸を津波が襲う。庄内地方で死者42名、倒壊家屋475棟。
1894.10.22 庄内地震 M7.0 酒田付近を中心に被害。死者726名、負傷者1060名、住宅全壊3858棟、家屋焼失2148棟。
1964.6.16 新潟地震 M7.5 津波あり。死者9名、負傷者91名、建物全半壊約1700棟。床上床下浸水39棟。水田流失・埋没・冠水、道路損壊、橋梁流失、堤防決壊、山崩れ、鉄道被害、通信被害、船舶損壊など。
1983.5.26 昭和58年日本海中部地震 M7.7 津波あり。漁船の沈没9隻。道路損壊、停電、水道管破裂、電話回線の不通など。
2011.3.11 平成23年東北地方太平洋沖地震 M9.0 死者3名、負傷者45名、住家半壊1棟、農林水産業やライフライン被害多数(電気・水道・通信・交通等)
※人的被害については、同年4月7日の余震(宮城県沖 マグニチュード7.2)によるものを含む。
2019.6.18 山形県沖 M6.7 鶴岡市で震度6弱を観測。負傷者28名、住家半壊11棟。

火山災害

県内で大きな被害のあった主な火山災害は次の通りです。

発生日 火山名 主な被害
871 鳥海山 噴火。噴火場所は新山付近。火砕物降下。溶岩流。流下した泥流により川が氾濫し堤防崩壊。
1230.11.- 蔵王山 噴火。火砕物降下。噴石により人畜に被害多数。
1740~1747 鳥海山 噴火場所は新山付近。荒神ヶ岳の南東側山腹火口から噴煙多量。硫黄化合物が北側の川に流入し水田・川魚に被害あり。噴火は数年間続いた。
1800~1804 鳥海山 噴火は1801年8月が最も激しく荒神ヶ岳付近で爆発。火砕物降下。泥流。新山を形成。噴石により登山者8名死亡。
1867.10.- 蔵王山 噴火。御釜が沸騰し硫黄混じりの泥水が増水し洪水発生。死者3名。
1893~1895 吾妻山 噴火。噴火場所は一切経山燕沢火口群で主な火口は5個。1893年6月7日の噴火により火口付近調査中の2名死亡。
1974.2.-~1974.5.- 鳥海山 噴火。噴火場所は新山付近。火砕物降下。黒煙、泥流。4月には北方約30kmまで降灰。
1977 吾妻山 噴火。噴火場所は一切経山大穴火口付近。火砕物降下。1977年2月頃から噴気活動が活発化し10月26日からは、さらに激しく噴出。酸性の泥水噴出のため塩川の魚の浮上死、養魚場の被害があり。噴気活動は1979年まで継続。

なお、肘折には有史以降の記録に残る火山活動はありません。

参考文献

  • 山形県災異年表(山形地方気象台・山形県農林水産部)
  • 理科年表(国立天文台編・丸善出版)
  • 最新版日本被害地震総覧(東京大学出版会)
  • 日本被害津波総覧第2版(東京大学出版会)
  • 日本の地震活動(地質調査委員会)
  • 災害情報(消防庁)
  • 2011.3.11に発生した東日本大震災の記録(山形県)