ウィンドプロファイラの仕組みと観測例

ウィンドプロファイラは、左図のように5 つのビーム方向(鉛直方向および仰角約76度に傾けた東、西、南、北方向)に向けて電波のパルスを発射します。
発射された電波は大気または降水粒子によって散乱され、再びウインドプロファイラのアンテナにもどってきます。 この時、大気の流れまたは降水粒子は風によって移動しているので、ドップラー効果によって受信波の周波数が少し変化します。
ウインドプロファイラは、受信した電波の周波数が、送信した電波の周波数からどれだけズレているかを検知し、 そのズレの大きさからビームを発射した方向に沿った風の速度を測ります。

ウィンドプロファイラの仕組み ウィンドプロファイラのアンテナ
ウィンドプロファイラのメカニズム(仕組み) ウィンドプロファイラのアンテナ


2003年6月8日は大東島付近に前線があり、5時40分には高度3km付近に前線面だとみられる風のシアー(変わり目、拡大図の赤線)が ウィンドプロファイラによって観測されています。シアーはその後高度を下げ7時頃には地上に達しました。

ウィンドプロファイラで実際に観測された2003年6月8日の風向の鉛直断面図