活かしていますか?東日本台風の教訓

避難情報をもっと理解していれば…

避難場所へ行く理由は「指定されているため」?

 上図は住民にどこに避難したかを聞いたアンケート結果です。市町村が指定した避難場所・避難所が最も多くなっています。

なぜ市町村が指定した避難場所・避難所に避難したかを聞いた結果が下図になります。「避難するように指定されているため」が約6割を占めています。

図1 住民向けアンケート結果

図1 住民向けアンケート結果(台風第19号により人的被害が生じた市町村のウェブモニター)

R2.2.5 令和元年台風第19号による災害からの避難に関するワーキンググループ(第2回)資料5(内閣府)より抜粋

避難所に行くことだけが避難ではない

 ここには避難行動の基本として小中学校や公民館等の「指定緊急避難場所」だけでなく、「安全な親戚・知人宅」や「ホテル・旅館等」に立退き避難することも書かれています。 またハザードマップを確認し、自宅等で安全が確認できる場合には、自らの判断で「屋内安全確保」を行うとあります。 そして、指定緊急避難場所等への避難が危険な場合には、今いる場所よりも安全である場所へ直ちに移動する「緊急安全確保」(上階への垂直避難や崖側から離れる、近隣の建物に移動するなど)を行います。

図2 「防災基本計画(中央防災会議)」における記述

図2 「防災基本計画(中央防災会議)」における記述

R6.6 防災基本計画(中央防災会議)より抜粋

避難開始判断のタイミングが理解されていなかった

 こちらは住民にどのタイミングで避難するのかを聞いたアンケート結果です。

当時の避難を開始すべきタイミングは「避難勧告」とされていたのですが、半分以上の方が「避難指示(緊急)」や「災害発生情報」で避難するという、望ましくない回答をされていました。このように警戒レベルが分かりづらいということもあり、内閣府では見直しを行いました。

図3 住民向けアンケート結果

図3 住民向けアンケート結果(台風第19号により人的被害が生じた市町村のウェブモニター)

R2.2.5 令和元年台風第19号による災害からの避難に関するワーキンググループ(第2回)資料5(内閣府)より抜粋

避難指示で必ず避難するように分かりやすく改善

 こちらが新しい警戒レベルです。よりシンプルに直感的になりました。避難指示までに必ず避難することが重要です。

警戒レベル

1 災害が発生・切迫し、警戒レベル4での避難場所等への避難が安全にできない場合に、自宅や近隣の建物で緊急的に安全確保するよう促す情報を、警戒レベル5「緊急安全確保」として位置づけています。

2 避難のタイミングを明確にするため、警戒レベル4の避難勧告と避難指示(緊急)を「避難指示」に一本化(現行で避難勧告を発令しているタイミングで、避難指示を発令する)こととしました。

3 早期の避難を促すターゲットを明確にするため、警戒レベル3の名称を「高齢者等避難」に見直ししています。

「新たな避難情報に関するポスター・チラシ」(内閣府防災HP)より

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