覚えていますか?東日本台風の記録

どのような被害があった?

北・東日本の広い範囲で大きな被害があった

 こちらは、各県の被害状況の資料ですが、東日本の広い範囲で大きな被害をもたらしました。

 東日本台風では、よく、関東の被害がフォーカスされますが、福島県や宮城県でも多くの死者や、住家被害があったのが分かります。

 また、栃木県や長野県では住家の全半壊が、埼玉県では床上・床下浸水が多かったのが分かるかと思います。

 このほかにも、東日本台風では、電気や水道等のライフライン、道路や鉄道等のインフラ、農林漁業などの経済活動にも大きな影響がありました。

  人的・住家被害(R2.4.10現在) ※ 10/25からの大雨による被害を除く

title="人的・住家被害(R2.4.10現在)"

「令和2年 防災白書」(内閣府防災HP)より抜粋

水害は屋外、土砂災害は自宅の割合が高かった

 災害別の死者の割合について、左の円グラフは屋外での死者の割合です。8割の方が水害で亡くなっています。そして、その半分以上は車で移動中の死者でした。

 車での移動には家族で荷物を持って避難できるメリットもありますが、災害が迫る前に、余裕を持って避難する必要があります。

 右の円グラフは自宅での死者の割合です。屋外での死者と比べると土砂災害による比率が高いのが分かります。

 別の資料ですが、自宅で亡くなった方の9割は60歳以上の方でした。高齢者は避難が容易でないことを示しています。

 図1 

  図1 災害別の死者の割合(自宅と屋外の比率)

 R2.3「令和元年台⾵第19号等を踏まえた⽔害・⼟砂災害からの避難のあり⽅について (報告)」(中央防災会議防災対策実行会議)より抜粋

多くの河川で堤防決壊があった

 こちらの図は、河川決壊があった場所を×印で示しています。赤いものは国管理河川、黄色は県管理河川の決壊箇所です。

 左上の写真は、長野県の北陸新幹線の車両基地の浸水被害です。長野市では床上床下合わせて5,000戸以上の家屋被害がありました。

 このような大きな川でも河川の氾濫がありました。

 図2 

  図2 令和元年台風第19号の被害(河川の氾濫)

 R1.11.22「令和元年台風第19号による被害」(国土交通省気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会資料)より抜粋

土砂災害が東北地方太平洋側で多く発生 ※R1.11.18時点

 東日本台風では、土砂災害も多く発生しました。多く雨が降った都県において土砂災害が多く発生しています。

 一つの台風災害としては過去30年くらいの記録上最多となる953件もの土砂災害が発生しています(前線などによる長雨などは除きます)。

 東日本台風による死者のうち約20%が土砂災害によるもので、16名の方が亡くなっています。

図3

  図3 都道府県別の土砂災害の発生件数

 R1.11.22「令和元年台風第19号による被害」(国土交通省気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会資料)より抜粋

埼玉県でも大きな被害があった

 埼玉県でも、河川の氾濫による浸水害(都幾川の氾濫写真参照)のほか、人的被害、土砂災害、ライフラインへの影響等がありました。

 図4 

  図4 埼玉県内被害状況

  左: R2.3.31「災害時気象報告 令和元年東日本台風等による10月10日から10月26日にかけての大雨・暴風等」(気象庁HP)より抜粋して作成

  右:「入間川流域緊急治水対策プロジェクト」(国土交通省 関東地方整備局)より抜粋

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