平年と大きく異なる天候の例①

2007年の夏の高温

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 2007年の6月下旬以降は、7月の中旬に沖縄本島付近を台風第4号が通過したものの、沖縄地方は8月上旬にかけて太平洋高気圧に覆われ、気温が高く、晴れの日が続きました(図1)。

 図2の実線は海面気圧です。暖色系の領域では海面気圧が平年より高く、寒色系の領域では海面気圧が平年より低いことを示しています。

 特に高気圧の勢力が強かった先島諸島では、記録的な高温、少雨傾向となり、さとうきびにロール現象(水不足になると水分の蒸発を抑えるために葉を巻いて自己防衛する現象)がみられ、水不足も懸念されました。

2007年5月から9月の石垣島の気温の推移

図1 2007年5月から9月の石垣島の気温の推移
(平年値は1991年~2020年の30年平均値)

2007年7月下旬の海面気圧

図2 2007年7月下旬の海面気圧

 沖縄付近の海面水温は、8月上旬まで、非常に高い状態となり、7月下旬には八重山地方付近で31℃以上の海域もみられました(図3)。
 その後、8月中旬に台風第6号と第7号が沖縄地方を通過し、沖縄各地の高温と沖縄付近海域の高い海面水温は解消されました。

 環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターによると、サンゴ白化現象が7 月下旬頃に八重山周辺海域で、8月上旬には宮古島や沖縄本島でも確認されました(図4)。

沖縄周辺海域の2007年7月下旬の海面水温

図3 沖縄周辺海域の2007年7月下旬の海面水温

八重山周辺海域の白化の様子

図4 八重山周辺海域(米原礁原)の白化の様子
左:白化前(2007年6月19日撮影)、右:白化中(2007年8月16日撮影)
提供:環境省 国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター