沖縄地方の地勢

沖縄付近の地図

 沖縄地方は、日本列島の南西端に位置し、49の有人島からなり、気象台では府県予報区として、沖縄本島地方、大東島地方、宮古島地方、八重山地方に区分しています。沖縄本島地方は、沖縄地方で最大の面積を持つ沖縄本島、その西方の久米島、及び、周囲の大小の離島からなります。沖縄本島は、南北に細長い形をしており、最南端から最北端までの距離は約100kmです。地形は、島の南部は比較的平地が多く、北部は山地となっています。大東島地方は、沖縄本島の東方約360kmに位置し、南北に約8km離れた南大東島と北大東島からなります。宮古島地方と八重山地方は、沖縄本島から約400km南西に位置しており、これらの地方を総称して先島諸島と呼んでいます。


沖縄本島地方の気候

月別の気温・降水量・日照時間などの平年値とその特徴

那覇の気温・降水量・日照時間

那覇の日照率・日降水量

 沖縄地方は、北緯20度から30度の間の緯度帯(亜熱帯)に位置し、近海を黒潮が流れる暖かい海に囲まれて海洋の影響を強く受けるため、気候は高温で多湿であることが特徴です。またこのことから亜熱帯海洋性気候ともいわれています。 上のグラフは、那覇の気温・降水量・日照時間などの平年値(1981年~2010年の30年平均値)を示しています。 那覇の平均気温は、7月が最も高く(28.9℃) 、1月が最も低く(17.0℃)、その差は約12度です。国内の他地方と比べて温度差は小さく、年間を通して温暖な気候です。 海から吹く風のため夏季でも猛暑日(日最高気温が35℃以上)となることは稀です。 降水量は、梅雨時期(5月から6月)と台風の影響を受けやすい8月から9月にかけては、多い時期となります。 一方、梅雨明け直後の7月と冬の降水量は少なく、特に冬は1か月間に100mm程度と最も多い月に比べて半分以下となります。 日照時間は、晴れの日(日照率が40%以上の日)が多い7月に最も多くなります。一方、曇りや雨の日が多い2月には最も少なくなります。 大東島地方、先島諸島の平均気温、降水量、日照時間についても、概ね同様の特徴があります。


平年値の説明気象観測統計指針の解説

 季節が冬から春先に変わると、西高東低の「冬型の気圧配置」は長く続かなくなり移動性高気圧と低気圧が交互に東シナ海を東進するようになります。 低気圧の通過前(通過後)には南(北)からの暖かい(冷たい)気流が流れ込み、気温が上昇(下降)します。 そのため、気温は数日の周期で変わり、時には、蒸し暑くなる日もあれば、寒気が入り肌寒さを感じる日もあります。 また、春先に東シナ海低気圧が急速に発達しながら沖縄付近を通過する日があります。 沖縄では、これを昔からニングヮチ・カジマーイ(二月風廻り)と呼んでいます。

地上天気図(平成19年3月4日)

地上天気図(平成19年3月5日)

地上天気図(平成19年3月4~5日:低気圧に伴う寒冷前線の通過)

 低気圧に伴う寒冷前線が沖縄付近を通過し強風が吹きました。石垣島では、3月4月は最大瞬間風速15.8m/s(南)など、 南風が吹いていましたが、3月5日は、前線通過後、風向きが急変し、最大瞬間風速26.1m/s(東北東)の強い北風が吹きました。

コラム① ニングヮチ・カジマーイ(二月風廻り)

 こうした短周期の変動を繰り返しつつ、次第に気温は上昇し、5月上旬頃になると梅雨入りします。 梅雨は、春から夏に移行するときに現れる季節現象です。沖縄の梅雨は本州の梅雨に比べると約1か月早く、平年の梅雨入りは5月9日頃、梅雨明けは6月23日頃です。 二十四節季の「小満」と「芒種」は、平年の梅雨期間(梅雨入りから梅雨明けまでの間)に当たるため、沖縄地方では、梅雨の時期のことを「スーマン(小満)ボース(芒種) * 」と呼んでいます。 梅雨入り前には、移動性高気圧に覆われるなど、晴天となる日もありますが、梅雨入りすると、沖縄近海に梅雨前線が停滞し、 この前線に吹き込む南からの暖かく湿った空気により積乱雲が発生・発達し、大雨や集中豪雨が引き起こされることがあります。 このため、大雨による浸水害や土砂災害の発生しやすい時期ですが、梅雨明け後の盛夏期に必要な農業用水を蓄える時期でもあります。

*小満(新暦の5月21日頃)、芒種(新暦の6月6日頃)

地上天気図(平成25年5月23日)

地上天気図(平成25年5月23日:梅雨期間)

 梅雨期間中のこの日(この年の梅雨入りは5月11日ころ)は、沖縄地方付近では、梅雨前線の活動が活発となって沖縄本島南部を中心に非常に激しい雨が降り、那覇では日降水量204mmを観測しました。これは、5月の1か月分の降水量の平年値に相当します。

 6月に入ると梅雨前線の活動が活発になって強い雨が降ることも多くなり、下旬頃になると太平洋高気圧が西に張り出し沖縄地方は梅雨明けします。 沖縄地方では、太平洋高気圧の周囲をまわる風と北上した梅雨前線に向かう風が加わり、強い南~南西風が吹きます。これを「カーチーベー(夏至南風) 」と呼びます。 梅雨明け(平年は6月23日頃)後は、太平洋高気圧に覆われやすく、また、暖かく湿った空気が流れ込みやすいため、晴れて蒸し暑い日が多くなります。

地上天気図(平成24年6月23日)

地上天気図(平成24年6月23日:梅雨明け頃(カーチーベー))

 北上した梅雨前線に向かって夏の到来を告げる南風(カーチーベー:夏至南風)が吹きました。この日以降、数日間、安定して強い南風が吹き、高気圧に覆われて晴れる日が続きました。

コラム② 梅雨明け後(7月)の少雨

 8月になると、台風の影響を受けやすくなり、台風の発生数(8月の平年値は5.9個)、沖縄県への接近数(同2.2個)はともに1年で最も多く、降水量も多くなります。 沖縄は四方を海に囲まれているため、本州の内陸地のように猛暑日(日最高気温が35℃以上)となることは稀です。

地上天気図(平成25年8月12日)

地上天気図(平成25年8月12日:盛夏期)

 太平洋高気圧が日本の南海上にみられます。沖縄も高気圧に覆われる一方、フィリピン付近の台風によって、南からの暖湿な(暖かく湿った)空気が流入しています。 この日の那覇は、日中は晴れて最高気温が33.1℃と高くなりましたが、夕方にかけては大気の状態が不安定となり、大雨で雷を伴いました。日降水量は48.5mmでした。

コラム③ 台風の発生と沖縄への接近について

平年と大きく異なる天候の例① 2007年の夏の高温

 秋になると、太平洋高気圧の勢力は弱まり、低気圧と高気圧が、交互に日本付近を西から東へ通過します。 このため、暖かくなったり、冷たくなったりを繰り返しながら、気温は次第に低下します。 10月頃には、秋雨前線が九州の南側に南下し、大陸の高気圧から季節風が吹きはじめます。 沖縄地方においては、夏の南東季節風にとって代わる北東季節風の初めての吹き出しをミーニシ(直訳すると「新しい北風」)と呼びます。 この時期は、「寒露の節」(沖縄で昔から四季の特性をあらわすために用いられてきた二十四節気の一つ)にあたり、サシバ(渡り鳥)が南下します。 その後、次第に北東風が安定して吹き、気温も更に下がり、沖縄地方は、冬に向かいます。

地上天気図(平成20年10月11日)

地上天気図(平成20年10月11日:ミーニシ(新北風))

 北海道付近には低気圧が見られますが、大陸の高気圧が沖縄付近まで張り出しています。 沖縄付近は、一時的に冬型の気圧配置となり、この冷たい高気圧から北東からの季節風が吹きました。

 冬になると、西高東低の気圧配置となります。これは、冬季に典型的に現れる気圧配置であることから、「冬型の気圧配置」とも呼ばれます。 沖縄付近に注目すると、シベリア高気圧が東シナ海付近まで張り出し、沖縄周辺の等圧線の間隔が混み気圧の傾きが大きくなります。このようなとき、東シナ海から沖縄付近にかけては強い季節風が吹きます。 この季節風が海面を通過する間に暖められ、水蒸気の補給を受けるため、冬季の天気は曇りや雨の日が多くなります。季節風の風向は、本州では西から北西が卓越しますが、沖縄付近では、北または北東となります。 風向があまり変わらず長い時間吹き続けるために海上では波が高くなります。

地上天気図(平成23年1月16日)

地上天気図(平成23年1月16日:厳冬期)

 ユーラシア大陸にはシベリア高気圧、日本の東には低気圧があり、「西高東低の冬型の気圧配置」となっています。日本にはシベリア高気圧からの寒気が流れこんでいます。 沖縄地方では、この寒気の影響のため曇りや雨の天気となり、那覇では最低気温が9.3℃、最高気温が12.3℃と寒い日となりました。

平年と大きく異なる天候の例② 2011年12月中旬から2012年1月上旬の低温と日照不足

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