平年と大きく異なる天候の例①

2007年の夏の高温(詳しい説明)

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 2007年の夏は、ラニーニャ現象が発生しており、海面水温は、平年に比べて東部太平洋で低く、西部太平洋やインドネシア付近で高いという分布となりました(図1の①)。また、7月は太平洋高気圧が中国の南まで張り出しており、高気圧に覆われた沖縄の南海上では、晴れて気温が高く、風が弱かったため、海面水温が高くなりました(図1の②) 。

 ラニーニャ現象により、西部太平洋やインドネシアの海面水温が高かったこと(図2の①)や熱帯の季節内変動の影響によって、特に7月下旬には、インドネシア付近での積雲対流活動が盛んになり、強い上昇流が発生しました(図2の②)。
 上昇した大気(図2の③)は、沖縄付近の下降流を強めた(図2の④)ため、太平洋高気圧の勢力が強くなりました。

2007年7月の海面水温

図1 2007年7月の海面水温と平年差
実線は海面水温です。赤色の領域では海面水温が平年より高く、青色の領域では海面水温が平年より低いことを示しています。

2007年7月に沖縄の南海上で太平洋高気圧の勢力が強かった時の模式図

図2 2007年7月に沖縄の南海上で太平洋高気圧の勢力が強かった時の模式図