気象台の仕事

 前橋地方気象台は、自然現象を日夜監視しながら、日々の天気予報や防災気象情報、地震・火山に関する情報を防災関係機関やテレビやラジオなどを通じてみなさまに提供し、防災機関として重要な役割を果たしています。

自然災害から身を守るための情報の発表

気象災害の起こるおそれがある場合、警報・注意報や気象情報などの防災気象情報を発表します。
また、地震が発生した場合に地震情報を、火山活動については噴火警報、噴火予報、火山の状況に関する解説情報を発表し注意を呼びかけます。

気象観測

地上気象観測
 天気予報や気候を知るためには、まず地上付近の気象状況を観測する必要があります。このため、気象台では定められた時刻に気圧、気温、湿度、風向・風速、天気、降水量などを観測しています。

地域気象観測(アメダス)
 集中豪雨や局地的な異常気象などから、人命や財産を守るためには、的確かつ迅速な予報・警報を発表しなければなりません。そのためにはより多くの気象観測資料が必要になります。
 そのため、気象庁は全国約1,300か所にアメダス(地域気象観測システム)と呼ぶ気象観測網を整備しています。
 群馬県内には、17か所の地域気象観測所があり、防災気象情報の発表に重要な役割を果たしています。
 (アメダス・・・Automated Meteorological Data Aquisition Systemの略)

生物季節観測
 植物及び動物の状態は季節によって変化します。気象台では、季節の遅れ・進み具合を知るため、さくらの咲いた日やもんしろちょうを初めて見た日などを観測して、統計資料として後世に残してきました。しかし、近年、気象台周辺の生物の生態環境が変化しており、適切な場所に標本木を確保することや動物の姿を見たり鳴き声を聞いたりすることも難しくなってきています。
 このため令和3年1月より、一年を通じた季節の移り変わりの時期や地球温暖化などの気候の長期変化を全国的に把握するのに適した6種目(うめ、さくら、あじさい、すすき、いちょう、かえで)を代表種目として継続し、その他を廃止することになりました。
 代表種目が、平年だと何月何日に前橋地方気象台にて観測されるかを、以下にご紹介します。

 前橋地方気象台での平年値

観測種目現象平年値
うめ開花2月6日
そめいよしの開花3月29日
満開4月5日
あじさい真の花6月16日
すすき開花9月1日
いちょう黄葉11月27日
落葉12月9日
いろはかえで紅葉12月8日
落葉12月22日

 なお、廃止する種目・現象を含む観測方法を定めた指針を気象庁ホームページで公開していますので、地方公共団体、情報交換ネットワーク等において各々の目的に応じて観測を実施される際にはご活用ください。

天気予報

 前橋地方気象台は、群馬県全域の天気予報を発表しています。
 天気予報は、全国各地から集められた気象観測データや各種天気図、数値予報資料などから多角的な検討を行い、群馬県を南部・北部に分けて、1日3回(5時、11時、17時)発表しています。
 そのほか、週間天気予報、季節予報などの長期予報も発表しています。また、災害が発生するおそれがある場合には注意報や警報などとあわせて注意を呼びかけています。

地震観測

 気象庁では24時間体制で、全国に設置した地震計や津波観測施設などの観測データから、地震や津波を監視しています。地震や津波が発生すれば直ちに、警報や情報を発表し各地方公共団体や報道機関等を通じて住民にお知らせしています。
 地震発生から約1分半後に、震度3以上を観測した地域名(群馬県では、「群馬県北部」、「群馬県南部」)を発表します。さらに詳細なデータが入りましたら、震度1以上を観測した地点、地震の発生場所(震源)やその規模(マグニチュード)などを発表します。
 また、緊急地震速報は、情報を見聞きしてから地震の強い揺れが来るまでの時間が数秒から数十秒しかありません。緊急地震速報を見聞きしたときの行動は、まわりの人に声をかけながら「周囲の状況に応じて、あわてずに、まず身の安全を確保する」ことが基本です。

火山観測

 群馬県には、5活火山(浅間山草津白根山日光白根山赤城山榛名山) があります。特に浅間山と草津白根山は火山活動が活発です。 気象庁火山監視・警報センターでは、24時間体制で、浅間山、草津白根山、日光白根山に設置した地震計や傾斜計、遠望観測装置(監視カメラ)、GNSS観測装置などにより得られた火山観測データを解析し、火山活動を常時監視しており、 必要に応じて、噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報、噴火速報、火山活動解説資料、噴火に関する火山観測報、降灰予報等を発表し、地方公共団体や住民に注意・警戒を呼びかけています。

その他

気象資料の閲覧
 気象台では、観測した県内の気象データなどを気象台にて閲覧することができます。
 また、気象庁ホームページや当気象台ホームページからも、各種データ・資料を閲覧することができます。

気象証明・鑑定
 気象台では、観測した県内の観測記録をもとに証明・鑑定を行っています。

前橋地方気象台組織図

前橋地方気象台組織図(平成31年 4月 1日時点)