防災の学習関連資料

気温や湿度などを観測する気象測器(観測する器械)を紹介します。

現在、使われている気象測器
昔、使っていた気象測器

現在、使用している気象測器

通信して、離れていても観測データを集めることができます。現在、気象台ではこうした測器を使っています。

電気式温度計と電気式湿度計

温度計と湿度計 (クリックすると、PDFの資料が開きます。)

 温度計は、センサー部分がプラチナ(白金)でできています。 気温によって電気の通りやすさ(抵抗)が変化することを利用して気温を測ります。


 湿度計は、センサーに2つの電極があり、その間に高分子膜が貼られています。 この膜は湿度によって電気的な性質が変化するので、これを利用して湿度を計ります。
 また、センサー部分を保護するため、ふだんは、白い筒状のフィルターをかぶせて使っています。


 気温の観測では、太陽の熱で温度計が暖まってしまうと、気温を正確に測れなくなるので、日かげで観測します。 また、雨や風から温度計や湿度計を守る必要もあります。

 このため、気象台では、通風筒という筒の中に温度計と湿度計を入れて、太陽光が当たらないようにして観測しています。 また、筒の中の空気が外の空気と同じになるように、ファンを回して外の空気を取り込んでいます。

 昔は、百葉箱に、「バイメタル式自記温度計」や「毛髪自記湿度計」を入れて観測していました。  この百葉箱では、ファンなどは使っておらず、すき間のある側面から、自然に空気が入れかわるように工夫されています。

電気式気圧計

電気式気圧計 (クリックすると、PDFの資料が開きます。)
 大気の圧力(気圧)を測る器械です。弁当箱大の大きさで、センサーを内蔵しています。
 センサーには2つの電極があり、気圧の変化で電極の距離が変わることを利用して、気圧を測ります。

風向風速計

風向風速計 (クリックすると、PDFの資料が開きます。)
 風向風速計は、風の吹いてくる方向(風向)と風の速さ(風速)を測る器械です。
 尾翼が風を受け、プロペラが風上に向くように回転し、胴体の向きで風向を観測します。また、プロペラの回転数によって風速を観測します。

転倒ます式雨量計

転倒ます式型雨量計の仕組み (クリックすると、PDFの資料が開きます。)
 転倒ます型雨量計は、雨や雪の量(降水量)を観測する器械です。
 口径が200mmの筒で降ってきた雨を集め、中の計量部に落とします。計量部では二つのますがシーソーのようなしくみになっており、降水量0.5mmに相当する雨がたまると、反対側へますが倒れ、集めた雨を流します。この倒れた数を数えて雨の量を測っています。

感雨器

感雨計 (クリックすると、PDFの資料が開きます。)
 人のこぶし程度の大きさの測器で、雨や雪などの降水の有無を観測します。
 表面に2つの電極が張り巡らされてあり、その電極に雨滴が付くと水を伝って電気が流れ、降水ありと判別します。

積雪計

積雪計 (クリックすると、PDFの資料が開きます。)
 左がレーザー式、右が超音波式です。
 それぞれ、上部の筒状に見える部分からレーザー光や超音波を使って雪面までの距離を測定します。これを、雪がない時の地面までの距離から引き算すると、積雪の深さとなります。
 現在、気象台では、レーザー式のものを使っています。

昔、使っていた気象測器

昔、気象台で使っていた気象測器です。観測値は測器の目盛や記録した紙を直接確認する必要があります。理科室においてあったり、教科書で紹介されていることがあります。

バイメタル式自記温度計

バイメタル式自記温度計 (クリックすると、PDFの資料が開きます。)
 バイメタル式自記温度計は、現在は使用していない温度計です。
 金属は、温めると膨らみ冷やすと縮みますが、その度合いは金属によって違います。種類の異なる金属板を2枚張り合わせると、温度が上がると膨らみにくい金属側にまがり、温度が下がると縮みやすい金属側にまがります。この性質を利用し、回転する筒に巻き付けた記録紙に温度の変化を記録します。

毛髪自記湿度計

毛髪自記湿度計 (クリックすると、PDFの資料が開きます。)
 毛髪自記湿度計は、現在は使用していない湿度計です。
 髪の毛は湿度が高いと伸び、低いと縮む性質があります。この伸び縮みを機械的に拡大し、回転する筒に巻き付けた記録紙の湿度の変化を記録します。
 札幌管区気象台では1950年頃まで使用されており、以後は1993年まで、測器が壊れた時の代替観測機として利用されていました。

アネロイド式気圧計

アネロイド式気圧計 (クリックすると、PDFの資料が開きます。)
 アネロイド式気圧計は、現在は使用していない気圧計です。
 内部を真空にした金属の容器が、外の気圧に応じてわずかに膨らんだりへこんだりすることを利用して、歯車やてこなどを使ってその差を拡大して針を動かし、表面にある目盛りから気圧を測ります。

関連リンク