福岡空港は福岡市市街地の南東部に位置しています。北西側約6kmには博多湾が広がり、南東側約16kmには筑後平野が広がっています。 また、空港の東側約10kmには南北にのびる2000~3000ftの三郡山系があり、南西側約20kmには東西にのびる3000ft級の背振山系が連なっています。
1年を通じ南東~南南東と西~北西風が卓越しています。
日中は海上からの北西風が吹き、夜間は逆に南南東の陸風が顕著に現れます。
地形の影響で北東~南東と南~西風の出現率は低くなっています。
ガスト(平均風速を10kt以上上回る最大瞬間風速)は、東西の山越えとなる風向で出現率が大きくなります。特に南西~西風での出現率が大きくなります。
平均風が20kt以上のときは、海方向の西~北東風の出現率が大きくなります。
雷は、前線や低気圧に伴って観測される場合が多くなっています。夏季は熱的低気圧に伴って、冬季は寒気に伴って雷が発生する場合があります。
夏季の雷の発生場所や移動の方向は大まかな傾向があり、中下層が弱風時は福岡空港周辺の背振山や三郡山付近で発生する場合があります。
中層の風向が南東の時は、英彦山や釈迦岳など九州山地で発生したものが福岡空港に流入する場合があります。
冬季は寒気に伴う対流雲の雲頂が10000ftを超えると雷が発生する場合が多いです。
5000m未満の悪視程の9割程度は降水現象に伴うもので、残りの1割がもや(BR)や霧(FG)によります。黄砂や大気汚染物質(浮遊塵)が多いことにより視程が悪化する場合もあります。
もやの発生は春から梅雨期の4~6月が最も多く、夏は少ないです。霧の発生は年間を通じて少なくなっています。
もやの場合は、高気圧の後面、温暖前線が接近してくる場合や、低気圧や前線が通過し、高気圧に覆われて風が弱く気温が下がる場合に出現することが多いです。
霧は降水現象後に発生することがほとんどで、空港での発生ではなく内陸部で発生した霧が移流する場合が多くなっています。気温の上昇により朝から昼前に解消する場合が多いです。
稀に、海上から霧が移流して長時間継続する場合があります。
低シーリング(1000ft未満)は、低気圧や前線の通過後に風向が北よりに変化して発生することが多いです。 低気圧や前線の近傍で弱い南東風で発生する場合もあります。2月~7月が多く、その他の期間は比較的少ないです。
冬季、福岡空港では降雪がありますが、積雪(1cm以上)の日数は少ないです。 冬型の気圧配置時に伴って、強い寒気(500hPaが-25℃以下、700hPaが-18℃以下、850hPaが-6℃以下)が流入すると雪が積もる場合があります。 九州の南の海上を低気圧が通過して降雪となり、雪が積もる場合もあります。
福岡空港における降水量などの観測データのうち、観測史上10位までの値と平年値です。